橋本愛、若手女優集結の『21世紀の女の子』完成に感激
第31回東京国際映画祭
現在開催中の第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で特別上映された映画『21世紀の女の子』舞台あいさつが1日に行われ、橋本愛、山戸結希監督・プロデューサーが登壇した。橋本は「言葉にならない涙が出ました」と同作を観た感想を口にして「これから世界が変わっていく歴史の序章のほうに、この映画が存在することを願います」と期待を寄せた。
『あの娘が海辺で踊ってる』『溺れるナイフ』などの監督作品で知られる山戸が企画・プロデュースを務める『21世紀の女の子』は、山戸を含む80年代後半~90年代生まれの新進映画監督14名とアニメーション監督1名が参加し、松井玲奈、伊藤沙莉、唐田えりか、石橋静河ら実力派若手女優が出演するオムニバス作品。「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間が映っていること」を共通のテーマに、8分以内の短編で表現する。
この日、緊張の面持ちで「この世界に未来を変える映画はいくつあるでしょうか? 死ぬ前にそんな映画をいくつか作れるでしょうか?」とメッセージを伝え始めた山戸監督。そして、言葉を詰まらせながらも「何よりも才能あふれる監督さん方と、強い意志を持った女優のみなさん、そして、どうしても初日にこの映画を観たいと思ってくださったみなさんとご一緒できることに喜びを感じています」としみじみと口にした。
さらに、山戸監督は映画の可能性に触れて「(近い将来)東京では映画を作る女の子が突然変異的に増えていくことを、この映画とともに予言させていただきます」と力強く語り、「私たちがここで手を取り合った民話(映画)が、10年後には文化になって、100年後には伝説になって……1000年後には神話になるのかもしれません」と期待を込めた。
山戸とともに登壇した橋本は、オムニバスの1編「愛はどこにも消えない」(松本花奈監督)で主演を務めているが、「映画を観て、言葉にならない涙が出ました」と胸中を明かした。そして、山戸の言葉を受けるように「私も映画の力を信じているので、これから世界が変わっていく歴史の序章のほうに、この映画が存在することを願います。そして、みなさんが宝物みたいなものを持ち帰っていただければいいなと願うばかりです」と呼び掛けていた。(取材:錦怜那)
映画『21世紀の女の子』は2019年新春に公開