岡田准一、中島哲也監督は「変態」ハラハラの撮影を振り返る
俳優の岡田准一が27日、都内で行われた映画『来る』絶叫OK!プレミア試写会に小松菜奈とともに登壇した。この日、岡田は中島哲也監督との初タッグに喜びをにじませながらも「いい意味でクレイジー」「変態」と称し、ハラハラした撮影を振り返った。
第22回日本ホラー小説大賞に輝いた澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を『告白』などの中島監督が映画化した同作は、田原(妻夫木聡)のもとに現れた謎の訪問者をきっかけに、オカルトライター・野崎(岡田)らが惨劇に巻き込まれていく恐怖の物語。名前を呼んではならない“あれ”に狙われた人間の心の闇が描き出される。
作品はつい最近、ようやく完成したそうで、岡田は「全国公開できないんじゃないかと噂が流れていました。映画『来な~い』になっていたかも」と笑うながら「観た方は、これを作った人は『変態だな、普通じゃないな』と思うはず」と素直な気持ちを告白。そんなこだわりを貫き通す中島監督との初タッグについては「ラッキー。中島さんのいい意味でのクレイジーさを感じていたし、奇才と呼ばれる監督と仕事をしていて、すごい作品になりそうだという実感を与えてくれる現場でした」としみじみと思いを明かした。
しかし、撮影はかなりハードだったそうで、役者が役作りをする前に中島監督が各キャラクターのセリフの言い回しやビジュアルなどを細かく決めていたことを明かした岡田。「朝までというのが決まりみたいで、そもそもこの分量をこの時間で? という……。とにかくキャストもスタッフもみんな怒られながら、全員で中島監督が思い描いているものを探す感じでした」。
また、作品にちなんで恐怖体験を聞かれた岡田は、実際に使用されている神聖な鏡を使った、お祓いのシーンの撮影を挙げて「めっちゃ怖くないですか? 割ったらどうしよう、罰が当たるじゃないかって」と不安に駆られたことを吐露。実はこのとき、カメラに映らない場所で、スタッフが鏡を受け止めるために毛布を構えていたということだが、岡田は「(スタッフを)見ながら投げられないし、芝居だから置きにいっちゃいけないし、うわーっ! とやらなきゃいけないから怖かったです。痺れました」と苦笑い。
そんな苦労の末に出来上がった『来る』だが、岡田は「あまり言葉は不要ですが、ただのホラーじゃないです。中島監督の奇才を感じていただけたら嬉しいです」とアピールしていた。(取材:錦怜那)
映画『来る』は12月7日より全国公開