高梨臨、吹替声優に初挑戦!村上春樹原作ドラマ「バーニング」
女優の高梨臨が初めて吹替声優に挑んだ「特集ドラマ バーニング」が12月2日に NHK BS4K、12月29日にNHK総合にて放送される。
NHKがアジアの映画監督たちと村上春樹の短編小説の映像化に挑戦するプロジェクトの第1弾となる今回のドラマ。国際的に高く評価されるイ・チャンドン監督が短編小説「納屋を焼く」をもとに、舞台を現代韓国に移すなど物語にアレンジを加えて新たなミステリー・ドラマに仕上げた。小説家を目指す青年ジョンス(ユ・アイン)に柄本時生、スポーツカーを乗り回す謎の男・ベン(スティーブン・ユアン)に萩原聖人、そして吹替え声優に初挑戦となる高梨がジョンスの幼なじみでバイト暮らしの奔放な女性・ヘミ(チョン・ジョンソ)の声を担当した。
初挑戦の吹替えについて難しさを感じたと感想を口にした高梨。映像化困難ともいわれる村上作品を映像化した本作については「台詞の中にもメタファーという言葉がでてきますが、この作品全体に沢山のメタファーが使われていると感じました。その捉え方で、解釈が全く変わってくるので、人によっていろんな解釈ができる作品だなと思いました。現実と非現実、具体的であることがかえって抽象的なイメージを与えるような、言葉で表すのは難しいですが、村上春樹さんの小説で感じるものが、この作品にも感じられるなと思いました」とコメントしている。
高梨は今年、野村周平と共演したドラマ「結婚相手は抽選で」でヒロイン役を務めたほか、先日にはスペシャルドラマ「犬神家の一族」でもヒロインを演じることが発表されたばかり。柄本、萩原とともに、緊張感あるストーリーのなかで繊細な心情を抱える登場人物の声をどのように表現しているのか期待が高まるところ。
なお、同作の劇場版は第71回カンヌ国際映画祭で高く評価され、国際批評家連盟賞を受賞。日本公開は2019年2月1日の予定となっている。(編集部・大内啓輔)
「特集ドラマ バーニング」は2018年12月2日よる9時から NHK BS4K、12月29日よる10時からNHK総合にて放送
高梨臨 コメント
── 村上春樹作品に触れたことはありますか?
村上春樹さんの本は、「ノルウェイの森」を最初に読みました。そこから、「風の歌を聴け」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「国境の南、太陽の西」「スプートニクの恋人」「海辺のカフカ」「アフターダーク、レキシントンの幽霊」「東京奇譚集」。あとは、翻訳されている本などを読んできました。
──「バーニング」という作品について、どう思われましたか?
本作の台詞の中にもメタファーという言葉がでてきますが、この作品全体に沢山のメタファーが使われていると感じました。その捉え方で、解釈が全く変わってくるので、人によっていろんな解釈ができる作品だなと思いました。現実と非現実、具体的であることがかえって抽象的なイメージを与えるような、言葉で表すのは難しいですが、村上春樹さんの小説で感じるものが、この作品にも感じられるなと思いました。
── 初めて吹き替えに挑戦してみての感想をお聞かせください。
初めてのことだったので、難しかったです。最初から完成されている作品ですし、他のみなさんがどのようにやっていらっしゃるかわからないなかで声を入れていくのは想像していたよりも、はるかに難しいことでした。吹き替えは吹き替えで、また違う雰囲気の作品になるのではないかなと思います。
「特集ドラマ バーニング」ストーリー
小説家を目指す青年ジョンス(ユ・アイン/柄本時生)は、同じ農村で育った幼馴染の女性ヘミ(チョン・ジョンソ/高梨臨)と都会の片隅で再会する。惹かれ合う2人。しかし、ヘミがアフリカで出会った謎の男ベン(スティーブン・ユアン/萩原聖人)を紹介したことで、3人の運命は複雑に絡みはじめる。ある日、ヘミと一緒にジョンスの家を訪れたベンは、夕暮れのベンチで秘密を打ち明けた。「僕は時々ハウスを燃やしています──」この時から、ジョンスの周囲で不思議なことが起こり出す……。