SNSで噂のイケメン・花沢将人、人気急上昇の不安が意欲に変化
Instagramに投稿した自撮り写真で一躍脚光を浴びた俳優の花沢将人。そのミステリアスな雰囲気から「菅田将暉や綾野剛を合わせたようだ」と人気を博したが、当の本人は浮き足立つことなく、実力と結果の“ズレ”に不安を覚えながらも、地道にキャリアを積み重ねてきた。そんな花沢がスクリーンで躍動する映画『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-』が2月8日より公開される。「不安が意欲に変わった」と語る花沢の目には、去年とは明らかに違う景色が見えてきたようだ。
花沢将人がヤクザ役!『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-』予告編
本作は、口コミで話題を呼んだジャスミン・ギュのコミック「Back Street Girls」を実写映画化した極道青春コメディー。不始末を起こした若き3人のヤクザ、山本健太郎(白洲迅)、立花リョウ(花沢)、杉原和彦(柾木玲弥)が、組長の発案による全身整形で女性に生まれ変わり、アイドルとして生きていく姿をユーモアとバイオレンスアクション満載で描く。
オーディションに合格し、リョウ役を自力で勝ち取った花沢。劇中、キレ味鋭い見事な殺陣を披露するが、激しい格闘シーンに対応するため、撮影の3か月前からアクションの猛特訓を受けたという。
「健太郎はどっしりと構えた兄貴分で、和彦はちょっとおチャラけた一番下の弟分。僕が演じたリョウはその真ん中で、とにかく血の気が多く、闘争心を剥き出しにするヤクザらしいヤクザ。今回はアクションで魅せるシーンが多かったので、それぞれが動きのなかで個性の違いを出していった感じです。僕の場合は頭突きを入れたり、手の動きを独特のものにしたり、(原桂之介)監督と相談しながら狂犬的なリョウを作り上げていきました」
さらに、今回の見どころは、全身整形を受けた3人組のビフォーアフター。リョウ役の花沢は、女優の松田るか演じる金髪ヘアのマリに変貌を遂げるが、「歩き方とか、タバコを持つ手とか、言葉使いとか、とにかく整合性を高めるために、限られた時間の中で徹底的にすり合わせを重ねた」という。
白洲、柾木というこれからの映画界を背負っていく同世代の俳優とタッグを組んだことも、花沢にとって大きな刺激になった。「年齢的には僕が少し上になるんですが、お二人の方がはるかに多くの場数を踏んでいるので、まずはやっと同じステージに立てた喜びが大きかったですね。あとは、彼らのいいところを少しでも盗みたいという気持ちにもなりました……いろいろな感情が湧いてきました」
そんな花沢も今年で30歳、役者としてそろそろ結果を出したいという焦りも垣間見られるが、「インスタで注目されたときは、役者として評価されていないことに複雑な思いを抱いていました。ただ、それがなければ今回のようなチャンスにも恵まれなかったかもしれないので、今は全てを謙虚に受け入れ、とにかく役者として認知していただくために一つ一つ地道にキャリアを積み重ねていくしかない」と言葉に力を込める。
「本作はあくまでも通過点ではありますが、役者として抱いていた『不安』が『意欲』に変わったことは間違いないですね。演技に没頭するなかで、『いつか(単独の)主演作を作りたい』という新たな夢も生まれました」と目を輝かせる花沢。「どこまでやれば、人は俳優・花沢将人として認めてくれるのか」。寝る間もないくらい「演技に没頭したい」と野心をあらわにする花沢に、もう迷いはないようだ。(取材・文:坂田正樹)
映画『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-』は2月8日より全国公開