エレン・ペイジ、女性ヒーローは「ただのトレンドじゃない」
『JUNO/ジュノ』『インセプション』で知られる女優のエレン・ペイジ。スーパーヒーローの兄弟を描くNetflixの新シリーズ「アンブレラ・アカデミー」(2月15日配信)に出演する彼女が、本作への思いを語った。
物語は、1989年に世界中で妊娠していないはずの43人の女性から赤ちゃんが生まれるという事件から始まる。世界的に有名な大富豪のハーグリーヴズは、その子どものうち7人を引き取って“アンブレラ・アカデミー”を設立。スーパーパワーを持った彼らは大人になり別々の道を歩んでいたが、ハーグリーヴズの死をきっかけに再会することになる。
エレンは、アンブレラ・アカデミーのメンバーの1人で、兄弟たちのなかで唯一スーパーパワーを持たないヴァーニャにふんする。「とんでもなく機能不全に陥っている家族についての物語」と本作を紹介したエレンはヴァーニャについて「(スーパーパワーを持っていないため)家族のなかで疎外され、のけ者としていい扱いを受けずに育った。鬱や不安と格闘している」と性格を分析した。
エレンはヴァーニャの衣装が中性的で色味が暗めなものが多いことにも言及。「映画やテレビは男性の役、女性の役と枠にとらわれがちだけど。今後、そういったことが問われなくなることを願っている」とコメント。性別にかかわらず“ヴァーニャ”であることにこだわり、どんな女性なのか、物語のなかでどう存在しているのかを重視した結果、性別を感じさせない存在となった。
また、『X-MEN』シリーズでミュータントのキティにふんしたエレン。特殊能力を持った人々の物語である『X-MEN』と「アンブレラ・アカデミー」の違いについては、特殊能力を持つ人に対する大人たちの対応の差があるという。『X-MEN』のプロフェッサーXは、キティたちミュータントたちを保護する立場にあるが、ハーグリーヴズは「子どもたちを買って、家に連れてくる。彼らを訓練してスーパーヒーローのチームにする」と子どもたちにとって決して良い人間ではない。予告編では「アンブレラ・アカデミー」の1人が死んだハーグリーヴズのことを「彼は怪物だった」と吐き捨てるシーンも。
さらに、近年は本作のほかにも『ワンダーウーマン』『キャプテン・マーベル』など、女性のヒーローが主人公の作品が増えている。そのことについて聞かれたエレンは「トレンドじゃないと思いたい。男性が数え切れないほどヒーローを演じるのが続いていたとき、わたしたちはそれをトレンドだとは考えないから。いまやっと女性がヒーローを演じるということが話題になってきた。でも、これがいい例になるといい。そして、それが続くことを期待しましょう」と意見を述べた。(編集部・梅山富美子)