岡本夏美、大杉漣さん最後の映画撮影現場での思い出を語る!『ゴクドルズ』
女優の岡本夏美が9日、新宿バルト9で行われた映画『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-』公開記念舞台あいさつに出席し、昨年2月に他界した大杉漣さんの最後の映画の現場となった本作での撮影の思い出を語った。
大杉さんは、岡本演じるアイリが通う、小料理屋の店主として作品に参加。出演シーンは少なかったが、岡本は「セリフとしてなのですが、大杉さんが話された言葉が、自分にすごく入ってきて号泣してしまいました」と語ると、今作が2度目の共演となったことで、大杉さんにツーショットの記念撮影をお願いしたという。その際も「夏美とは初めて写真撮るね」と気軽に応じてくれたことを明かすと「大杉さんの温かさが、作品に色をつけてくださいました。一緒にお芝居ができて光栄でした」と懐かしそうに回顧していた。
本作は、ジャスミン・ギュによる人気コミックを実写映画化。組長の思いつきで、極道を貫いてきた男たちが全身整形して、女性としてアイドルデビューしてしまう姿を描く。この日は、白洲迅、柾木玲弥、花沢将人、松田るか、坂ノ上茜、桜田通、菅谷哲也、原桂之介監督も出席したが、原監督は、東映が本作でピンキー・バイオレンス復活を意識していることについて「とても革新的だと思いましたが、伝統はしっかり踏まえなければいけないと思った」と作品コンセプトを語る。
その言葉通り、ポップなテーマながらも、岩城滉一や小沢仁志といった俳優たちが脇を固める。白洲は「もしピンキーバイオレンスというジャンルに並べていただけるのならばうれしい」と笑顔を見せると、若手を優しく受け入れてくれる岩城らに「寛容さがありつつ、丸くなっていないところもある。圧倒的なつかみどころのなさ」と共演した印象の述べる。続けて「ああいう年の取り方をしたい」と羨望の眼差しを向けていた。
原監督は「任侠、アイドルなどすごくいろいろな要素がてんこ盛りで、演じる方もスタッフも大変だと思った。そんななか、悩んで苦しみながら、答えを見せてくれる可能性しかない若者に、日本映画の現場の底力を感じました」と賛辞を贈っていた。(磯部正和)