『移動都市/モータル・エンジン』主演はイングリッド・バーグマン的と評された美人女優!
ファンタジー映画『移動都市/モータル・エンジン』でヒロイン・ヘスター役に抜てきされたアイスランド人女優ヘラ・ヒルマーがインタビューに応じ、初めて大作に主演したことへの思いを語った。
【動画】都市が都市を喰う!『移動都市/モータル・エンジン』冒頭9分間映像
イギリス人作家フィリップ・リーヴのファンタジー小説「移動都市」を基に、“移動型の都市が小都市を捕食する”世界を大スケールで描いた本作。凶悪なロンドンが捕食した都市の資源を再利用し、人間を奴隷化することで成長し続ける中、その目に激しい怒りを宿した少女へスターは反撃へと動き出す……。
製作・脚本のピーター・ジャクソンはこのヘスターというキャラクターにほれ込んで映画化を決めたとあって、ヘスター役の女優探しは世界規模で行われた。そこで見いだされたのが、170センチの長身とクラシカルな美貌を誇るヘラだ。強さともろさを表現したオーディション映像に感銘を受けたジャクソンやフィリッパ・ボウエンら製作陣は彼女を「イングリッド・バーグマン的」と評し、ヒロインに即決したほど。
ヘラはこの評価に「冗談でしょ? と思った。ピーターとフィリッパがそんなことを言ってくれるなんて。お世辞だと受け取っているわ。共に北欧の出身だから、何か文化的な共通点があるのかもね」と笑う。激しい怒りを抱えたヘスターを体現するためには、彼女の孤独を理解しようと努めたといい、「それがわたしにとって一番重要なことだった。彼女は幼い頃から痛みと孤独を経験してきた。人間には人とのつながりが必要だけど、それなしで育った子はどうなるのかということを考える必要があったの。それが彼女の行動を規定するし、この物語の核でもあると思うから」と役づくりを振り返った。
監督の座はクリスチャン・リヴァーズに譲ったピーター・ジャクソンだが、スタントパフォーマーによるアクションシーンなどを担当する第2班監督を嬉々として務めていたという。「『ロード・オブ・ザ・リング』を観て育ったから、その監督と仕事をするなんてシュールな経験だった。でも肉体的にも感情的にも大変なシーンだったから、ヘトヘトになったわ。ピーターは何度も何度もやりたがるの。無尽蔵のエネルギーがあるみたい(笑)。『もう無理! 家に帰る!』と言いそうになったのは、これが初めてよ」。
原作は全4巻。フランチャイズ化する可能性がある大作に主演することは、チャンスでありリスクでもある。しかし、ヘラはプレッシャーには思わなかったといい、「おかしなことに、周囲の人たちは心配していたけれど、わたしはそういうふうには考えなかった。この仕事をするなら、常にチャンスをつかんでいかないといけない。もちろん失敗してリスクになる可能性もある。でも、その結果と共に進んでいかないといけないの」と冷静に語っていた。(編集部・市川遥)
映画『移動都市/モータル・エンジン』は公開中