多く若者が同性愛“矯正”セラピーの犠牲に…『ある少年の告白』特別映像
同性愛“矯正”セラピーを経験したゲイ男性の回顧録を基にした映画『ある少年の告白』の特別映像が公開された。原作者や監督・製作・脚本・出演を務めたジョエル・エドガートンらが企画の成り立ちを語るほか、外界と隔離された施設で行われる「口外禁止」とうたわれたセラピー内容の一端も見ることができる。
『ある少年の告白』の原作は、2016年に出版されてNYタイムズ紙がベストセラーに選んだ衝撃の実話。同性愛“矯正”セラピーの多くは何の資格も持たない者によって行われているにもかかわらず放置されており、こうした施設は今なおアメリカに存在している。受けさせられた人々の自殺率は高く深刻な問題となっており、原作者のガラルド・コンリーは「毎年、大勢の若者が犠牲になっているんだ。ジョエルのような影響力のある人に『君の話を正しく伝えたい』と言われてうれしかった」と明かす。
ジョエルも「原作を読んで、この問題を世間に知らせるべきだと思った」と並々ならぬ熱意で映画化に取り組んだ。今回公開された映像には、監督をしながら施設長も演じるジョエルの姿や、出演者の一人で、ゲイであることを公表しているシンガー・ソングライターのトロイ・シヴァンが「監督が真心を込めて、この作品を手掛けてくれたことは僕たちのコミュニティーにとってありがたいことだ」と感謝する場面も収められている。
主演は、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でオスカー候補にもなった若き演技派ルーカス・ヘッジズ。ラッセル・クロウ、ニコール・キッドマン、グザヴィエ・ドラン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーら豪華キャストが脇を固めている。(編集部・市川遥)
映画『ある少年の告白』は4月19日よりTOHOシネマズシャンテほかにて全国公開