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日本映画に革命を『キングダム』プロデューサーの大望

映画『キングダム』プロデューサーの松橋真三
映画『キングダム』プロデューサーの松橋真三 - 写真:高野広美

 不可能と言われた原泰久のコミック「キングダム」の実写映画化の舵を取ったのは、これまで『銀魂』シリーズなどのヒット作を手がけてきた映画プロデューサーの松橋真三。「日本映画に革命を起こしたい」という強い思いでのぞんだ本作についてインタビューで語った。

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 「週刊ヤングジャンプ」で連載中の大ヒットコミックを実写映画化したこの作品は、中国の春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児の少年・信(山崎賢人)が後の始皇帝となるエイ政(吉沢亮)と出会い、玉座奪還のための戦いに身を投じていくさまを描いている。日本国内だけでなく中国・象山影視城でも大規模なロケ撮影が敢行された。

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 累計発行部数3,800万部超(4月1日時点)という絶大な人気を誇るコミックの実写化になぜ挑んだのかという質問に「『キングダム』をやりたいプロデューサーはたくさんいると思います。ただ本当にやろうとした人がいない中で、私は本気だったということです」と答える松橋の目は力強い。

キングダム
映画『キングダム』より - (C) 原泰久/集英社 (C) 2019映画「キングダム」製作委員会

 世界的大ヒット作『タイタニック』を20世紀フォックスにいた時に手がけたハリウッドのサンフォード・パニッチ(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、コロンビアピクチャーズ代表)から「一緒になにか映画をつくりたい」という依頼を受け、「単純に枠を埋める作品をつくりたいんですか? それとも日本映画に革命を起こしたいんですか?」と返した。「日本映画に革命を起こす」という思いのもと、映画『キングダム』は動きだした。

 松橋が映画化にあたって最も重きを置いたのは「原作が持っている熱量を再現する」ということだった。「この映画は本当にいくらかかるんだろう。予算は上限知らずでふくらんでいった」と不安に駆られることもあったが、「(スタッフ全員が)日本映画に革命を起こしたいと思ってやっている。お金がかかっても、それが作品に必要なのであればお金のかけがいがあります」と覚悟を決めて挑んだ。

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キングダム
『キングダム』への熱い思いを語る松橋プロデューサー - 写真:高野広美

 そんな作品では「夢」という言葉がキーワードになっている。原作者の原とともに何度も改訂を重ねた脚本会議でこの言葉にたどりついた時のことを松橋は「主人公の瞳に色を塗れたという瞬間でした。誰よりも早く作品の成功を確信しました」と振り返った。

 映画化されたのは原作の1巻から5巻まで。現在までに53巻(4月19日に54巻が発売)まで刊行されている作品なだけに続編への期待は否が応でも高まってしまう。「パート1で相当なお金がかかったので(続編は)生半可な気持ちではやれない。それ相応のヒットをしてくれないと。でも、続編を求める声が映画を観てくださった方たちからいただけるのであれば、やりたいです。丁寧にやっていきたい」と前を見すえる松橋は「実は勝手にやってます。自分の中では構想を練っているんです」と続編について語っていた。今作の大ヒット、そして『キングダム』が日本映画の新たな扉を開くことを願わずにはいられない。映画の公開は4月19日から。(山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記)(編集部・海江田宗)

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