中田秀夫監督、池田エライザに「強敵が来た」 リング新作の裏側
映画『貞子』(5月24日公開)の主演を務める池田エライザと中田秀夫監督が9日、都内で行われた完成披露試写会イベントに登壇。中田監督は、これまで松嶋菜々子、中谷美紀、竹内結子、深田恭子ら名だたる女優が出演した『リング』シリーズの新ミューズに、池田は「ピッタリ」と褒め称えた。この日は、塚本高史、清水尋也、姫嶋ひめか、佐藤仁美も来場したほか、貞子もサプライズ登場した。
本作は、1998年に「観た者は一週間後に死ぬ」という「呪いのビデオ」の恐怖を描く鈴木光司の同名ホラー小説を映画化し大ヒットを記録した『リング』のシリーズ最新作。小説「リング」シリーズの一つ「タイド」を原作に、中田監督が約14年ぶりにシリーズのメガホンをとり、記憶を失ってしまった少女と向き合う心理カウンセラー・茉優(池田)が、怪現象に見舞われていくさまを描く。
「ホラーが苦手で、幼少期に『リング』の洗礼を受けた」と話す池田は、「例えばお仕事で地方に行ったときは(ホテルの)テレビに布をかけたりするくらいブラウン管が怖かったので、台本をいただいたとき、(オファーの)お返事をするのに2、3日かかった」と回顧。しかし、「ただ怖いだけではなくて、今までの『リング』とは一味違う幽霊・人間模様が描かれているので、そこに触れてみたいなと思い、勇気を出して挑戦しました」と出演の経緯を明かした。
いざ撮影が始まると「ビックリ(する表現)って(普段も)ワーと言われてもワーとならないから難しくて、技術的なことは通用しないので、なるべく自分をそういうメンタルに追い詰めなきゃと思いました」とアプローチに苦戦した様子。しかし、茉優の弟・和真を演じる清水尋也が、自身の弟に似ていると感じたことが突破口に。「弟がいなくなったら……と考えたら辛かったので、それを茉優とリンクさせたのかな」と、同じ姉として考えることで理解を深めたようだ。
そんな池田について、中田監督は「リハーサルの時に『こんなに回数やったら現場(本番)で飽きちゃわない?』と初日からため口で、これは強敵が来たな。大変だ(と思った)」と暴露。とはいえ、「ルックスのフォトジェニックさと、ヒロイン役はこの世ならざる者の貞子に立ち向かうアグレッシブなキッとした感じが必要で、それにピッタリだった」と満足げで、「ヒロインに感情移入しながら、このゾーンに来てよというところにバシッと来てくれた」と褒め称えた。
そう監督から高評価を受けた池田は、「なるべく監督に演出されないように頑張っていました。(監督が)来ると10分くらい演出されちゃうから」とぶっちゃけて会場の笑いを誘っていた。(取材:錦怜那)