貞子、観客と一緒に『貞子』を鑑賞
映画『貞子』(公開中)の公開御礼舞台あいさつが25日、新宿バルト9にて行われ、貞子が客席に紛れて映画を鑑賞。フォトセッションの際には乱入し、呪いのパワーで会場を包み込んだ。舞台あいさつには清水尋也、桐山漣、佐藤仁美、中田秀夫監督も出席した。
本作は、1998年に公開した『リング』のオリジナルチームが再結成し、池田エライザを主演に描いた戦慄のホラー。時代の変化と共に恐怖の形状を変えながら、日本のホラー映画界をけん引してきた『リング』シリーズ最新作が、SNS時代に新たな恐怖を放つ。
舞台あいさつ冒頭、風疹のために欠席した池田から「公開御礼舞台あいさつという場に立つことができず、心から申し訳なく思っています」と綴られた手紙が届く。少しずつだが体調も回復の兆しがあることが報告されると、清水や桐山らは安堵の表情。続けて「当たり前のように猛スピードで様変わりしていく時代の中で、人の心は追いつけず、立ち止まりそのまま置き去りになっていきます」と情報過多の現代に警鐘を鳴らすと「そんな人の心の叫びと、貞子という存在は、一生縁の深い関係なのだと思います」と、このタイミングで『貞子』が公開される意義を述べた。
メガホンをとった中田監督も「20年前の『リング』から、どの表現を守って、どの部分をいまの時代に変えるべきかを悩みました」と本作の難しさを述べるも「お話しをいただいたときはものすごく光栄でした」と笑顔を見せていた。
池田演じる主人公・秋川茉優の弟で動画クリエイターの和真を演じた清水は、オファーをもらったときのことを「仕事を始める前に観ていた『リング』シリーズに出演できることが信じられなかった。人生なにが起こるかわからないんだなと思った」と振り返ると、貞子に初めて対面したときは「子供のころにテレビで見ていた芸能人に会ったような感じで『わー貞子だ』と無邪気な心を思い出しました」と語った。
そんな貞子はこの日、観客と共にこっそり映画を鑑賞。フォトセッションが行われた際、おもむろに席を立つと、舞台に向かって駆け寄る。突然のことに驚く観客をしり目に登壇すると、しっかりフォトセッションに参加。おどろおどろしいビジュアルで戦慄を振りまきつつも、カメラマンからの要望に素直に応えるおちゃめな一面も見せていた。(磯部正和)