『君の名前で僕を呼んで』監督、「蠅の王」映画化の監督候補に
映画『君の名前で僕を呼んで』『サスペリア』のルカ・グァダニーノ監督が、作家ウィリアム・ゴールディングの小説「蠅の王」の映画化作品で、監督交渉に入ったと The Hollywood Reporter ほか複数メディアが報じている。
【作品写真】ルカ・グァダニーノ監督作『君の名前で僕を呼んで』
本作は、ワーナー・ブラザースのもと企画されている作品で、現在は『キャプテン・マーベル』のジェニーヴァ・ロバートソン=ドウォレット、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のニコール・パールマン、『シエラ・バージェスはルーザー』のリンジー・ビアの3人の女性脚本家が立ち上げた制作会社・ノウン・ユニバースが製作総指揮を務めるための交渉に入り、同時期にグァダニーノ監督も交渉に入ったようだ。もし、双方の交渉が成立すれば、グァダニーノ監督は自身の製作パートナー、マルコ・モラビートと共に製作も担当する。
原作の舞台は近未来の戦時下。疎開地へ向かう飛行機が墜落し、24人の少年たちは無人島に漂着する。初めは協力し合って島の生活を楽しんでいた彼らだが、やがて過酷な環境の中で対立するようになり秩序と理性を失っていく……という筋書き。
もともと本作は、2017年にもワーナーのもとで企画されていたが、その時点では少年たちではなく、少女たちに設定を変えて、『メイジーの瞳』のスコット・マクギーとデヴィッド・シーゲルのコンビが、脚本・監督を共同で行う予定だったが、女性中心の映画を男性ライターが執筆することで世間から批判を受け、実現しなかった。今回の作品は、再びウィリアム・ゴールディングの小説に沿って少年たちを描く模様。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)