超美少年!エドワード・ファーロングの黄金期
2000年代からスキャンダルが続き今やゴシップ誌のターゲットとなりがちなお騒がせ俳優となったエドワード・ファーロング。その彼が鮮烈なデビューを果たした『ターミネーター2』が16日、フジテレビ系・土曜プレミアム枠で放送(夜9時~11時10分)。正当な続編となる『ターミネーター:ニュー・フェイト』(公開中)への登場もささやかれ再注目を浴びるエディだが、リンダ・ハミルトン演じるヒロインの息子ジョン・コナー役で一世を風靡した当時、日本のCMにも出演するなど「ザ・美少年」としてもてはやされた彼の黄金期を振り返ってみた。
『ターミネーター2』で鮮烈なスクリーンデビュー
人類滅亡の日が迫る1990年代を舞台にした本作で、彼が演じたのは未来の指導者となる運命にあるジョン・コナー。未来社会から、彼を抹殺する使命を与えられたT-1000(ロバート・パトリック)がやってくるのと同時に、彼を守るべくT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)が送り込まれる(送ったのは未来のジョン自身)。感情を持たないT-800とやんちゃなジョンの交流がときにおかしく、ときに切なく描かれ、とりわけクライマックスで見せたジョンの涙は多くの人々の感情を揺さぶり、エディは一躍スターとなった。
日本のCMで麗しの学ラン姿!
『ターミネーター2』で大成功を収めた彼は、1990年代前半に日本のCMにも出演。大黒摩季の「DA・KA・RA」を起用した東洋水産の「ホットヌードル」のCMは、「初めての、H」という意味深なキャッチコピー(HはHOT NOODLEの頭文字)も相まって大いに話題に。相手役は、全日本国民的美少女コンテスト第5回でグランプリに輝いた今村雅美。学ランを着たエディが、待たせているらしきガールフレンドのもとへと疾走し、両手で彼女の頬を優しく包み込む……というもの。エディの設定は謎だが学ランがやたらと似合い、日本の女性をとりこに。
「笑っていいとも!」でムツゴロウさんのモノマネ
日本での人気は相当なもので、アルバム「君を強く抱きしめて」もリリース。このアルバムのプロモーションもかねて、「笑っていいとも!」にも出演。登場するなり女性たちの黄色い歓声が響いた。ダウンタウンの松本人志のMCのもと、なぜかエディはムツゴロウ(畑正憲)さんのモノマネに挑むことに。映画『子猫物語』に登場した猫のチャトランの名をつぶやきながら泣く、という松本の珍妙な演技に倣い、真面目に取り組むエディの姿がほほえましかった。
メリル、リーアム、ブリッジス…共演者の顔ぶれが凄い!
『ターミネーター2』ののち、カルト的人気ホラー『ペット・セメタリー2』に出演しつつ、1990年代前半から後半にかけて、名だたる名優たちとの共演作が続く。『アメリカン・ハート』(1992)ではジェフ・ブリッジスと父子に、『母の贈りもの』(1993)ではキャシー・ベイツと母子に、『リトル・オデッサ』(1994)ではティム・ロスと兄弟役に。
『判決前夜/ビフォア・アンド・アフター』(1995)では、メリル・ストリープとリーアム・ニーソン演じる両親の息子という設定で、殺害されたクラスメートの容疑者となるキーパーソンにふんした。トルーマン・カポーティの小説に基づく主演作『グラスハープ/草の竪琴』(1995)でも、シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、ウォルター・マッソー、ジャック・レモンらそうそうたる顔ぶれが脇を固めた。
“ネオナチ”を題材にした衝撃作で丸刈りに!
『アメリカン・ヒストリーX』(1998)で、エドワード・ノートン演じるかつて白人至上主義集団のカリスマ的リーダーだったデレクの弟で、兄に絶対的な忠誠を誓う弟にふんしたエディ。センセーショナルなキャラクターに加え、マッチョな肉体づくりでも注目を浴びオスカーにノミネートされたノートンに負けじとエディも丸刈りに。3年間の服役中に劇的な変貌を遂げて帰ってきた兄に戸惑う少年の揺らぎを体現した。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』について、今夏アメリカ・サンディエゴで開催された「コミコン・インターナショナル」内のパネルディスカッションでは、前作『ターミネーター2』の監督で、本作ではプロデューサーを務めるジェームズ・キャメロンがエディの出演に言及していたが、果たして……? どのように姿を見せるのかは観てのお楽しみ!(編集部・石井百合子)