スター・ウォーズ完結編のC-3POは飾りじゃない アンソニー・ダニエルズ「満足のいく終わり」
映画『スター・ウォーズ』シリーズでC-3POを演じてきた英国俳優アンソニー・ダニエルズが、全9作にわたるサーガの完結編となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(12月20日全国公開)の撮影を終えた今、思いを語った。
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『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』(1977)以来、金色のドロイドC-3POとして9作品に出演してきたアンソニー。「最初の『スター・ウォーズ』は、僕が出た最初の映画でもありました。映画を撮るということを、当時の僕はまるで知らなかった。しょっちゅう、セットの宇宙船やら大道具を触るものだから、クルーは面白がってましたね。僕はそれを、とても辛い状態で撮影する、だいたい12週間の仕事だと思っていた」とジョーク交じりに当時を振り返る。
そんなシリーズが『スカイウォーカーの夜明け』で完結。終了を聞いても、アンソニー自身に驚きはなかった。「皆さんもご存知の通り、僕は全てのトリロジー(三部作)の終わりを見てきた。事実、最初のトリロジーの最後では、これで全部終わりだと思っていました(笑)。二つ目のトリロジーが終わった時もそう。そしてまた終わり。だから、それは構わない。そんなふうにして、ここまで少しずつ積み重ねてきたんですからね。(サーガが終わることは)驚きではなかった。驚くべきは、そこに自分がずっと関わっていたということです」
そうして、1970年代から現在まで、映画撮影の進化を間近で体験してきたアンソニー。本作ではエピソード7にあたる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)のJ・J・エイブラムスが再び監督を務めており「昔みたいにフィルムで撮ったんです。10分ごとにロールを変えなければいけないから、毎回のテイクが大事。そこがフィルムで撮ることのクールな部分です。これだと、みんな時間をもっと大切にする」とその手法を称賛する。
また同時に、デジタルの恩恵を受けることも。「フィルムと同時にデジタルでも撮っている。それがいいのは、スタジオ内の大きなクリーンで撮影したばかりのシーンをすぐに見せてもらえること。こちらは『こんなにクローズアップで撮るなら、もっとこうしたほうがいいな』と考えて、次のテイクでやり方を変えたりすることができる。J・Jはそんなふうに、デジタルのいい面もちゃんと使うんです」
『スカイウォーカーの夜明け』の予告編における、目が赤く光るC-3POや、彼がレイたちに「最後にもう一度だけ友人たちに」と語りかける場面は、彼が本作で重要な役割を果たすことを予感させる。撮影を終えた今、アンソニーは、最後の『スター・ウォーズ』に「これだけ長いことやってきたものが、ついに終わる。それは満足のいく終わりだろうか? これに関していえば、そうです」と自信をのぞかせる。
「エピソード7(『フォースの覚醒』)では、C-3POの赤い腕だけが気に入らず、それを毎日のようにJ・Jに伝えていました。そして彼は、最後に金色の腕に戻してくれた。エピソード8(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』)のC-3POは、飾りみたいにそこにいるだけだった。今回もそうだろうと思っていたけど、変わったんです。それ以上は言っちゃダメですね。ただ、これは言っておきます。C-3POというキャラクターを心から愛し、それを演じる僕としては、C-3POが実際にこの映画を観に行ったら、すごく喜ぶだろうと思う。そこで、とどめておきましょう」。(編集部・入倉功一)
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は12月20日より全国公開