Beppuブルーバード映画祭、今年もド派手に閉幕!
大分県別府市にある別府唯一の映画館・別府ブルーバード劇場で11月29日から行われていた第3回Beppuブルーバード映画祭が1日に幕を下ろした。1日に実施されたミュージカル映画『ヘアスプレー』の“観客参加型”の応援上映は、エンドクレジットと音楽が流れる中、観客たちがスクリーン前のステージに上がって音楽にあわせて踊る昨年同様のド派手スタイルで、華やかなキャストが集まったBeppuブルーバード映画祭はクロージングまで大盛り上がりだった。
開幕日の29日には別府出身の俳優・岩永ジョーイの『琉球バトルロワイアル』が上映され、ロビーでは岩永がファンに笑顔でサインのお願いや写真撮影に対応する、観客とキャストの距離が近いBeppuブルーバード映画祭らしい光景があった。
阿部サダヲ、白石和彌監督が参加した『彼女がその名を知らない鳥たち』のトークイベント前には劇場前に長蛇の列ができた。白石監督は『凪待ち』『孤狼の血』も本映画祭で上映され、3日間連続でトークイベントに参加した。期間中は劇場の近くでファンからのサインや写真撮影のお願いに応じていた。29日19時から実施された映画『彼女は夢で踊る』のイベントでは主演の加藤雅也が歌声でも別府を盛り上げた。
今年のスマッシュヒット映画『翔んで埼玉』の上映(ゲスト:中原翔子)、SMAP主演の映画『シュート!』の応援上映(ゲスト:ダイノジ)でスタートした2日目は、昨年体調不良のため急きょ不参加となった真木よう子がBeppuブルーバード映画祭に“降臨”。真木の登場を待ちわびていた別府の人たちから大歓声が送られた。
学生時代に別府に一年間住んでいたリリー・フランキーは白石監督と「『凪待ち』上映記念トークショー」を行った。地元民を「おー!」とうならす“ジモトーク”からギリギリまで攻めた話まで、すべり知らずのトーク力で超満員の会場はわきにわいた。リリーの粋な計らいでサプライズで真木が呼ばれる一幕もあり、『そして父になる』で夫婦役だった2人が白石監督とともに爆笑トークを展開した。
この日の夜には別府にあるゲイバー「Bar Zero」との共催でイベント「ZEROでナイト in ブルーバード映画祭」が劇場の地下でオープン。バブリーナ、Lespelanza、ぽり美、虹子Londonらドラッグ・クィーンがショーを行ったり、特別ゲストが参加したりとBeppuブルーバード映画祭ならではの一夜限りの特別な夜となった。
最終日には、香取慎吾と稲垣吾郎が主演した『凪待ち』『半世界』が上映され、白石監督、渋川清彦、阪本順治監督がトークイベント。田口清隆監督が主催する「第16回 全国自主怪獣映画選手権 別府大会」で坂田敦哉監督の『宮田バスターズ(株)』が優勝したり、『HE-LOW THE SECOND』の須賀貴匡、青柳尊哉、吉岡毅志、高野八誠監督が参加したトークイベントには子どもたちの姿もあったりとてんこ盛りの内容だった。
1日夜に実施された【豊田利晃レトロスペクティブ】内で上映された『ナイン・ソウルズ』では登壇した渋川、豊田利晃監督が同作に出演した俳優の鬼丸さんが今年10月に心筋梗塞で急逝したことについてコメント。鬼丸さんが亡くなってから初めての映画館での上映であることから追悼上映として故人をしのんだ。
『ヘアスプレー』の上映後、観客と一緒にステージに上がった別府ブルーバード劇場の館長で今年88歳の岡村照館長は「(今年の映画祭の)最後のトリも本当に華やかにできましたことを嬉しく思います。ありがとうございます」と笑顔で感謝の言葉を述べた。(編集部・海江田宗)