三浦貴大、撮影初日にアクシデント「監督が倒れた」
三浦貴大と成海璃子がダブル主演を務める映画『ゴーストマスター』の公開記念舞台あいさつが7日に新宿シネマカリテで行われ、三浦、成海のほかに板垣瑞生、永尾まりや、原嶋元久、寺中寿之、川瀬陽太、柴本幸、森下能幸、手塚とおる、ヤング・ポール監督ら総勢11名が来場。司会者が「新宿シネマカリテが始まって以来、最多人数の舞台あいさつ」と語るほどに、熱気あふれるイベントとなった。
若手クリエーターの発掘を目的とした第2回TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILMで準グランプリを獲得した企画を映画化した本作。低予算の“壁ドン青春映画”の撮影現場でこき使われる助監督・黒沢明(三浦)が、将来の監督作として映画愛を注いだ脚本『ゴーストマスター』を現場に持ち込んだことから、狂気が感染していくさまを、スピード感あふれる描写で描き出す。
ほぼスクリーン前を占拠した登壇者たちに、三浦も「人数が多いんで、しゃべるのもどうしようかとソワソワしてしまいますが。テンションを上げて。ありがとうございます!」とあいさつ。成海も「撮影から1年半たって、ようやく映画を届けられてうれしいです」と続けた。
さらに現場で大変だったエピソードについて質問された川瀬が「実は初日に監督が倒れたんですよ」と明かすと、三浦も「のんきに休憩していたら、『監督が倒れたんで、しばらく待ってもらっていいですか』と言われて。慌てて行ったらそこに横たわっている監督がいて」と述懐。
板垣が「めちゃくちゃ心配していましたよ。僕も見ていたんで」と笑いながら続けると、ポール監督も「2時間くらいですかね。じゃやりましょうと言ったけど、よく再開できましたね。でも川瀬さんもそうですけど、こんな個性も強くて、キャラも立っているクセ者たちと一緒にやらなきゃいけない僕らの気持ちも考えてください。最初のシーンから全員集合だったんで、それは大変ですよ」とボヤいてみせて、会場を沸かせた。
役者自らスローに動いてもらうことで、スローモーションを描写したり、逆回転再生で人体の一部が飛び出すシーンを表現するなど、ポール監督の演出は非常に奇抜なことの連続だったという。
成海が「でも現場ではだいぶマヒしてきて。疑問を持たずに、何も思わなったですね。みんな(頭に)クエスチョンマークが出ていたけど、やってみましょうという感じでした」と語る。三浦も「長編初と聞いていましたけど、全然そんな感じがなくて。僕は言われたことに『ハイ』と言うだけ。とにかくこういう作品だし、過酷な現場だし、(言われたことは)やると決めていたんで。忙しい中でも頼りがいがありました。監督は同い年なんですが、すごくやりやすかったですね」と振り返った。(取材・文:壬生智裕)
映画『ゴーストマスター』は新宿シネマカリテほか全国順次公開中