スコセッシ、『ジョーカー』観ていない
マーティン・スコセッシ監督(77)が、映画『ジョーカー』は観ていないと The New York Times のインタビューで明かした。
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『ジョーカー』は、DC映画にして、スコセッシ監督の『タクシードライバー』や『キング・オブ・コメディ』から影響を受けたトッド・フィリップス監督がリアルな描写に徹して作り上げた異色作。以前スコセッシ監督は、同作のプロデューサーを務めることを真剣に検討したこともあったが、結局、主人公がコミックのキャラクターであることがひっかかってやめたとBBCに明かしていた。その代わり『ジョーカー』にはスコセッシ監督の長年のプロデューサーであるエマ・ティリンジャー・コスコフを参加させている。
今回、2019年の映画で良かったものを聞かれたスコセッシ監督は、まだ鑑賞できていない映画はたくさんあると前置きしながらも、ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』は気に入ったとコメント。しかし『ジョーカー』については自身の作品へのオマージュがかなり強いこともあって食指が動かないようで、「クリップ映像は観た。それでわかった。だから『なぜわたしが観る必要がある?』という感じだ。どういうものかは理解した。結構だったよ」と今後も観る予定はなさそうな口ぶりだった。
次回作『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題) / Killers of the Flower Moon』(主演はレオナルド・ディカプリオ)も決まっているスコセッシ監督は自身の死期が近いことを悟っており、映画制作以外の時間はもっと自分の関心があることに使いたいのだという。「1年くらい本を読みたい。音楽を聴きたい。友達と一緒に。なぜならわたしたちは皆、死に近づいて行っているから。友人たちも、家族も」と語っている。
また、昨年は「(マーベル映画は)映画ではない。ああいったものに最も近いと感じるのはテーマパークだ」という発言でも話題になったスコセッシ監督は、新作『アイリッシュマン』を引っ提げて出席した第77回ゴールデン・グローブ賞授賞式で司会のリッキー・ジャーヴェイスにこの件でいじられていた。リッキーから「その通りだと思います。だけどそもそも彼が何をするためにテーマパークに行ったのかはわかりませんが。彼はライドに乗れるほどの身長がないから」とジョークにされると、楽しそうに笑っていた。(編集部・市川遥)