松坂桃李、妻子殺害の容疑者役 貫井徳郎原作SPドラマ「微笑む人」今春放送
俳優の松坂桃李が、貫井徳郎のミステリー小説を原作としたテレビ朝日系スペシャルドラマ「微笑む人」で主演を務めることが9日、同局より発表された。今春、日曜プライム枠(毎週日曜夜9時~)で放送される。松坂が演じるのは、妻子を殺害した罪に問われるエリート銀行員。松坂は、出演にあたり「仁藤という男がやってきた行為は、もちろん許されるものではないのですが、台本を読んだ最初の印象では、なぜか嫌な感じがしなかったんです。彼の振る舞いや言動は、ある種の正論を言っている部分もあるので、不思議な感覚でした」とコメントを寄せている。共演に尾野真千子、生瀬勝久、福田転球、田中要次、阿部亮平、薬丸翔、小久保寿人、佐藤乃莉ら。
本作は、映画『愚行録』(2016)、スペシャルドラマ「乱反射」(2018)など映像化が相次ぐ貫井が2012年に発表した同名小説に基づくドラマ。主人公は、幸福を絵にかいたような生活を送りながら突然妻子殺害の容疑者となるエリート銀行員・仁藤俊美(にとうとしみ/松坂)。当初は事故の通報者=遺族だったが、当日現場付近にいたという目撃者が現れたことから状況は一変。仁藤の語った「本の置き場所が欲しかった」という殺害の動機は世間を驚かせ、次第に彼の思わぬ過去が浮かび上がってくる。
尾野が演じるのはドラマオリジナルキャラクターで、仁藤の事件を取材する週刊誌の記者・鴨井晶(かもいあきら)。松坂とは姉弟にふんしたドラマ「この世界の片隅に」(2018・TBS)以来、2度目の共演。尾野は「前回は“弟”だったのですが、今回は“取材対象である殺人者”です。……何でしょうかね、彼の見せる『微笑み』。これまでにわたしが見てきた『本当にいい人だな』という微笑みから一転して、今回は『ぞっとするような微笑み』を見せられました。松坂桃李の中にあるまた新たな表情を垣間見た気がして、これからもさらに違う桃李くんが見たいな、と思わせてくれる作品になりました」と再共演を振り返っている。
脚本は、ドラマ・映画『アンフェア』シリーズや映画『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』(12月公開)などの原作者として知られる秦建日子。演出を、ドラマ「世にも奇妙な物語」シリーズや映画『パラサイト・イヴ』(1996)、『催眠』(1999)などの落合正幸が担当する。(編集部・石井百合子)