「映画秘宝」休刊号発売 2019年度ベスト&トホホ映画発表
1995年より刊行されている映画専門雑誌「映画秘宝」(洋泉社)の休刊号となる2020年3月号が21日に発売を迎え、25年の歴史に一度、幕を下ろした。25周年記念となる同号では、2019年度におけるベスト映画も発表され、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が1位に輝いた。
出版社の吸収合併に伴い、人気絶頂のまま休刊が決定した「映画秘宝」。休刊号は、くしくも映画監督、俳優、漫画家、作家など175名の映画人が選んだ、2019年度の年間映画ベスト&トホホ10の発表と重なり、タランティーノ監督が失われたハリウッドへの郷愁とリスペクトを込めた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が、秘宝ライターと読者投票のベストランキングで1位となる、まさに完全優勝を果たした。
2位は『ジョーカー』、3位は『スパイダーマン:スパイダーバース』、4位は『アベンジャーズ/エンドゲーム』とアメコミ作品が圧倒。ロシア産の戦車アクション『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』が6位に入るなど、「秘宝」らしい熱いランキングになっている。一方、期待して観たのにガッカリさせられた映画を決める「トホホ10」の1位は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』。2位は『ターミネーター:ニュー・フェイト』となり、いかに秘宝ファンの期待が大きかったのかがうかがい知れる結果に。
また、最後のベスト・ガイに選ばれたのは『ジョーカー』のホアキン・フェニックスで「彼の存在感あってこその作品。俺たちみんなアーサーなんだよ」(黒木あるじ・小説家)と称賛の声が。ベスト・ガールには、トホホから一転、『ターミネーター』で未来の強化型兵士グレースを演じたマッケンジー・デイヴィスが選ばれた。
表紙は、2019年の映画シーンを彩ったキャラクターたちが集う、イラストレーター・長野剛による描き下ろし。創刊25年目の休刊号に華を添えている。また、町山智浩、柳下毅一郎、宇多丸、小出祐介、斎藤工、のんらが選ぶベスト映画も発表。同誌で連載してきた中川翔子による休刊号特製描き下ろしイラストや、愛読者コーナーもページ数増量で掲載。25年目の幕引きを惜しむ、「映画秘宝」愛に満ちた一冊となる。(編集部・入倉功一)
「映画秘宝」が選ぶ2019年度映画ベスト10
1位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
2位『ジョーカー』
3位『スパイダーマン:スパイダーバース』
4位『アベンジャーズ/エンドゲーム』
5位『アイリッシュマン』
6位『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』
7位『マリッジ・ストーリー』
8位『グリーンブック』
9位『ボーダー 二つの世界』
10位 『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』
「映画秘宝」が選ぶ2019年度映画トホホ10
1位『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
2位『ターミネーター:ニュー・フェイト』
3位『ジョーカー』
4位『トイ・ストーリー4』
5位『サスペリア』
6位『Diner ダイナー』
7位『アド・アストラ』
8位『アリータ:バトル・エンジェル』
9位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
9位『新聞記者』
映画秘宝2020年3月号は発売中 定価:1,210円/洋泉社:刊