長澤まさみ、実話に着想得た衝撃作で新境地 大森立嗣監督『MOTHER マザー』で母親役
女優の長澤まさみが、約5年前に起きた少年による祖父母殺害事件に着想を得た映画『MOTHER マザー』(初夏公開)で主演を務めることが22日、明らかになった。併せて公開された特報、ビジュアルでは、長澤演じる母親と幼い息子、内縁の夫らとの日常が収められている。長澤は、新境地となる本作に出演した理由を「今回この脚本をいただいて、結婚しておらず、子供がいない自分は、母親目線ではなく息子の周平の目線で脚本を読んでいました。どこか他人事じゃないと思わせられるリアルさがあって、母親の存在の大きさについて、親が子を育てる責任について考えさせられ、この役を演じてみたいと思いました」とコメント。内縁の夫に阿部サダヲ、幼少期の息子に郡司翔(ぐんじ・しょう)。監督を映画『日日是好日』『タロウのバカ』などの大森立嗣が務める。
【動画】長澤まさみ×阿部サダヲ×大森立嗣監督『MOTHER マザー』特報
『新聞記者』などを手掛けた河村光庸プロデューサーが実話に着想を得て大森監督とタッグを組み、その場しのぎの自堕落な生活を送る奔放な女性・秋子(長澤)の息子が、やがて凄惨な事件を起こすさまを描く本作。近年はドラマ・映画『コンフィデンスマンJP』『マスカレード・ホテル』などはつらつとしたイメージが強い長澤だが、本作ではガラリと異なる役柄に挑む。脚本を、大森監督が『あゝ、荒野』(2017)、『宮本から君へ』(2019)などの港岳彦と共同で手掛ける。
秋子の内縁の夫でホストの遼役に、昨年、大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」で話題を呼んだ阿部サダヲ。長澤と阿部は本作が初共演となり、阿部は「初共演でしたが、長澤まさみさんは、シリアスからコメディまで何でも出来る女優さんということは分かっていました。母親役の印象はあまりなかったのですが、凄くグッと来ましたよ、親子のシーン……僕はいないシーンです(笑)」と撮影を振り返っている。
一方、大森監督は本作の意図を「港さんと脚本を組み立てていく中で“女”として破滅的なキャラクターである秋子が、一方では、子供をなめるように育ててきた“母”でもあるという一人の女性の大きな隙間をどのように描くかということに監督としてのやりがいを感じました」と説明。長澤とのタッグに「秋子は、強烈で想像を超えたキャラクターなので演じるのが大変だったと思いますが、撮影を進めるにつれ、長澤さんが作品の中でどんどん大きな存在になっていきました。長澤さんの非常によい表情を収めることができたと思います」と自信をのぞかせている。(編集部・石井百合子)