波瑠、衣装合わせだけで9時間かかった主演作「遊川組の洗礼かな」
女優の波瑠が19日、都内で行われた映画『弥生、三月 -君を愛した30年-』完成披露試写会に出席。1人の女性の30年間を演じた波瑠は、衣装合わせだけで9時間もの時間を要したことをはじめ、並々ならぬ覚悟で作品に挑んだことを明かした。試写会には成田凌、岡田健史、小澤征悦、黒木瞳、遊川和彦監督も出席した。
本作は、「家政婦のミタ」「同期のサクラ」などの脚本家である遊川がメガホンをとったラブストーリー。高校時代に運命的に出会った結城弥生(波瑠)と山田太郎(成田)の30年に渡る恋愛模様を、3月の出来事だけで紡ぐ。
1人の女性の学生時代から約30年間を演じた波瑠。メガホンをとった遊川監督とは、役柄に対してかなりの意見をぶつけ合ったようで、共演の成田は「どちらも正義。交わるのが大変そうだなと思った」と二人の姿を見ていたという。波瑠は「まず衣装合わせで9時間かかりました。遊川組の洗礼かなと思ったぐらい」と監督のこだわりの深さをしみじみ語ると、遊川監督は「30年分あるからしょうがない。でもさすがにヘトヘトになったね」と楽しそうに回想する。
遊川監督は「あくまで外野から見た印象」と前置きをしつつ「正しいと思ったらはっきりとものを言うイメージ。そのため誤解されてしまうこともある人なのかなと思っていた」と波瑠の印象を述べると、「そんな性格が弥生に似ていると思ったので、彼女が演じれば嘘がないと思った」とオファーした理由を明かす。すると波瑠も「なんでも言い合える、とても風通しの良い関係でした」と良い作品を作るために、真剣に意見を言い合える現場に感謝していた。
充実した撮影だったようだが、実はオファーを受けたとき波瑠は「弥生という役の純粋さはハードルが高い」とためらい、断ろうと思ったという。しかし、ここでも遊川監督と本音をぶつけ合えたことで「監督と仕事がしたい」と気持ちが変わり、出演を決めた。
「約1年前に撮影した映画が、こうしてようやく皆さまに届けられるようになりました」と感無量な表情を浮かべた波瑠。「予告を観ただけでも、弥生のことを思い出して泣いてしまいました。改めて本気で作品に打ち込んでいたんだなと実感できました」と満足そうな表情を浮かべると、「弥生と太郎の運命を信じて過ごした30年間が、なにか皆さんの背中を押すきっかけになれば」と作品に込めた思いを語っていた。(磯部正和)
映画『弥生、三月 -君を愛した30年-』は3月20日より公開