名画座「飯田橋ギンレイホール」6月6日再開 当面は1本立て完全入替制
都内・飯田橋駅近くの名画座「飯田橋ギンレイホール」が6月6日より営業を再開する。当面、1本立ての完全入替制(2作品を日替わりで交互に上映)として営業し、6日から『イエスタデイ』、7日から『レディ・マエストロ』の上映がスタートする。来場者はマスク着用が必須となり、上映中の食事(菓子含む)は禁止となる。
都による休業要請により4月8日から休館していた飯田橋ギンレイホール。支配人の久保田芳未さんは「2か月間映写機を止めたのははじめてのことです。ガランとした客席、ポスターの無いショーケースのなんと虚しかったこと」と休館期間を振り返り、再開を迎える心境を以下のように話す。
「6月、ようやく再開まで漕ぎつけましたが、映画をお届けできる喜びとコロナの恐怖は常に共存しており、危機感と緊張感をもって再開に臨みます。スタッフ全員で安全策を考え、最善の準備でお客様をお迎えいたしますが、感染予防と衛生管理の徹底のため、やむなく通常とは違う上映スタイルや入場ルールでのスタートとなりました。待ちかねているお客様もいらっしゃると思いますが、再開時は座席の減少や営業時間短縮の影響を考慮して上映期間を3週間と長めに設定しましたので、焦らずゆっくりとご都合の良いときにお越しください。お客様には色々とご不便をお掛けしてしまいますが、映画館で映画を観る幸せを守るため、ご理解ご協力をお願いいたします。大変長らくお待たせいたしました。ギンレイホール、いよいよ開映です!」
本映画館では感染防止・衛生管理のため、当面、上映方法や入場ルールを変更することとなり、座席の間隔を空けるため席数を通常198席のところを80席程度に制限。開場は、朝は上映開始時刻の30分前、2回目以降は15分前とし、開場直後は混雑が予想されるため混雑を避けるよう呼びかけ。密集を防ぐため、基本は開場までロビーへの入場は不可(入会・更新等手続きは朝以外受け付ける)。本編開始後は接触防止のため、席が空いていても立見となる。
その他の対策は下記の通り。
・劇場内に空気清浄機を2台設置
・地下通路に空気清浄機設置
・受付にビニールシート設置
・ロビーの椅子を一部撤去
・休憩時間を十分(30~40分程度)に取り、座席や手すり、自販機等を消毒液で清掃
・本編上映前に、全興連作成のコロナ感染対策映像(30秒)上映
・売店の菓子類販売中止
・パンフレットの見本閲覧中止
・荷物の預かり中止
・スタッフはマスク、ゴム手袋着用(必要に応じて、フェイスシールド着用)
・休館中に劇場入口の暗幕カーテン、クリーニング
ギンレイホールは、1974年にスタート。平時はロードショーが終わった映画の中からセレクトして2本立てで上映するスタイル。日本・アメリカをはじめ、アジアやヨーロッパなど「国境なきラインアップ」を取り揃え、映画ファンの「マイ・シアター」になることを目指している。なお、同映画館では入会日から映画を1年間、何度でも鑑賞可能な「シネパスポート」を発行する、「ギンレイ・シネマクラブ」を導入している。(編集部・石井百合子