中村倫也は絶妙な役者!『水曜日が消えた』監督&Pが明かす魅力
いまノリに乗っている俳優の中村倫也が主演を務める映画『水曜日が消えた』が、19日に公開を迎えた。本作のメガホンを取った吉野耕平監督とプロデューサーを務める谷戸豊が、中村の魅力について語った。
本作は、幼いころの交通事故がきっかけで、ひとつの身体の中で曜日ごとに入れ替わって暮らしている“7人の僕”(中村)が主人公。真面目で几帳面な性格の通称・火曜日の視点を通して、水曜日が消えたことで起こるできごとが描かれる。
同じ人物だが中身は曜日ごとに別人、という難役を担った中村は、見た目だけではなく、話し方、声のトーン、歩き方まで7人それぞれ別人格になりきっている。そんな中村について、吉野監督は「何者にもなれる、絶妙な姿と声を自在に使いこなせる俳優であること。そしてそれ以上に、演出家の意図や現場の状況、映画全体、その先の観客のことまで常に見渡して考えられる広い視野を持っていること」が最大の魅力と答える。
「映画『水曜日が消えた』はパターンが重要になる話です。劇中には、目覚めて驚くという流れをはじめ、いくつかの意図的な繰り返しの演出が出てきますが、中村さんは撮影中、常にそれが“何回目”で“どういう役割か”を正確に把握して、絶妙に演技プランを調整してくれていました」と撮影を振り返る。
撮影現場では、さまざまな要因で混乱が起こることも。俳優は、その影響を一番受けやすいポジションだが、「どんな状況の中でも、その物語にとって最善は何か、という課題から冷静に目を離さず探し続けられる視野の広さ」を中村は持っていると監督は感じたそう。「僕だけでなく、多くの演出家にとって魅力を感じる部分なのでは」と中村が多くの作品に起用される理由の一つだと分析した。
また、谷戸プロデューサーは、「力まない、飾らない、絶妙な塩梅を知っている役者さん」と中村の魅力を語り、「主演だろうと何であろうと作品の世界観、共演者との距離感を読み取り、そのバランスを見極めながら時には存在感を消し、時には攻めてくれる」とその才能を絶賛した。
「中村さんの何気ない『こんな感じでやります』はいつも絶妙な塩梅であり、驚くほど自然にキャラクターを膨らませて体現してくれるのです。そんな“絶妙”な役者さんだからこそ、ご一緒したいと強く思ってしまうのです」と中村との仕事を熱望する理由を明かしていた。(編集部・梅山富美子)