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のん、コロナ禍で初参加の岩井作品に感動「アイデアとパワーがあれば」

『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』イベントに登壇したのん
『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』イベントに登壇したのん

 女優ののんが28日、都内で行われた『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』公開直前イベントに出席し、初参加となった岩井俊二監督の現場に「この状況下でもアイデアとパワーがあれば、映画を作り出せるんだということ感動しました」と感激の表情を見せた。この日は主演の斎藤工をはじめ、武井壮穂志もえか樋口真嗣、岩井俊二監督も来場した。

【動画】イベントの様子

 本作は、『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督ら5人の監督が発案したリレー動画企画「カプセル怪獣計画」の番外編として、YouTubeで配信された短編シリーズの劇場版。通販サイトで購入した、新型コロナウイルスと戦ってくれるというカプセル怪獣を飼育する男(斎藤)と、リモートで会話する人々の物語が展開する。劇場版の新キャストとして参加したのんは、「自粛中に話をいただいて。この作品に参加できて、すごくうれしいです。たくさんの方に観ていただけたら」とあいさつ。

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 本作は全編ほぼリモートで撮影。その時のことを「リモートだったので、岩井監督とも画面越しにどうも、という感じで始めさせていただきました。演出も画面越しでした」と振り返ったのん。「リモートでサトウ先輩(劇中の斎藤の役名)とやりとりをしていく感じだったんですけど、実際は(斎藤の)表情を見ずに、斎藤さんの声を頼りに演じたのでスリルのある撮影でした。声だけだと耳が研ぎ澄まされますね」とコメント。対する斎藤は、のんに対して、かなりアドリブを連発したというが、「僕はどんどん変な球を投げ入れてしまうんですが、ものの見事に打ち返されるんです。見事でしたよ」と笑顔を見せる。

 のんが演じるのは、主人公サトウタクミの後輩・丸戸のん。通販で宇宙人を買ったという設定で、岩井監督自身、この役を演じるのは、のんしかいないという強い思いがあったという。「面白い役でした」と語るのんは、「星人と一緒にいるということなんですけど、わたしもいないものとしゃべっている感じだったので。(何もない)空間に向かって、この子がそばにいると思いながらしゃべったりしました」と述懐。斎藤も「絶対にそこに実体を感じている人のリアクション。何となく見えてくる気がするのは、表現力のたまものだと思うけど、それがSFに昇華しているのは、のんさんのおかげじゃないかな」と称賛した。

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 さらに自粛期間中の生活について質問されたのんは、「わたしも(演じたキャラクターと同様)毎日自炊して。焼きそばを食べたり、パスタを食べたり。あと竜田揚げにも挑戦したんですけど、一回目は生焼けになっちゃって。2回目は生焼けを恐れすぎて黒焦げになって。計5回やって、4個分は黒焦げのものしか食べられていないから、今度はおいしいものを作ろうと思います」と失敗エピソードを披露しながら、決意を新たにする一幕もあった。

 そして最後に、「この自粛中にオファーをいただけるとは思っていなかったから、すごくうれしくて。脚本を読ませていただいた時に、この状況下でもアイデアとパワーがあれば、映画を作り出せるんだということ感動しました」と語ったのん。「岩井組に、初めて参加させていただいたんですが、映画の生命力がすごく感じられて。作品を見させていただいた時も、遊び心の中に、すごく心に響くメッセージが込められています。この状況下でわたしたちはしっかり生きていかなければいけないんだなというのをあらためて実感しました。ぜひたくさんの方に観ていただきたいと思います」と晴れやかな表情で訴えた。(取材・文:壬生智裕)

『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』は7月31日より全国のミニシアターで順次公開(8月7日よりオンライン上映も開始)

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