「いとみち」新星・駒井蓮&豊川悦司共演で映画化 メイドカフェで働く津軽弁少女の青春
越谷オサムの小説「いとみち」が、モデル・女優の駒井蓮と豊川悦司の共演により映画化されることが11日、明らかになった。青森県・津軽を舞台に、メイドカフェでアルバイトをする内気な女子高生の青春を描く物語で、駒井がヒロインに、豊川がその父親にふんする。監督は、青森市出身で『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』などを手掛けた横浜聡子。9月中旬にクランクインし、青森市・弘前市・板柳町などで撮影を行い、12月の完成を目指す。2021年青森で先行公開したのち、全国公開予定。
原作は、2013年に松本潤、上野樹里共演で映画化され大ヒットした「陽だまりの彼女」などで知られる越谷の同名小説。2011年に刊行され、「二の糸」「三の糸」とシリーズ化された。タイトルの“いとみち”とは、三味線を弾くときに指にできる糸道のことで、主人公・相馬いとの名前はそれに由来している。
映画では、津軽三味線が得意だが強い津軽弁訛りと人見知りのせいで周囲になじめないいと(駒井)が、思い切って始めたメイドカフェのアルバイトを通して、少しあやしげな店長、シングルマザーの幸子、漫画家を目指す智美ら先輩メイドたち、風変りな常連客たちと交流しながら成長していく姿が描かれる。
いとを演じるのは、本作が初の映画単独主演となる青森県出身(平川市)の19歳の新星・駒井蓮。アニメーション映画『音楽』でヒロイン役の声優を務め、今後、河瀬直美監督の新作『朝が来る』の公開を10月23日に控える。駒井は本作で初の津軽三味線に挑み、以下のように郷土愛を語る。「生まれ故郷での作品に出演させて頂けて、本当に嬉しい。撮影の中で、私に刻み込まれた青森と共に、新しい青森も発見したい。また、青森や、そこに住む方々に今まで育ててくれたことへの感謝も伝えていきたい」
父親・耕一役にはローランド・エメリッヒ監督の戦争映画『ミッドウェイ』や、沖田修一監督『子供はわかってあげない』の公開を控える豊川悦司。この映画で3つのやりたいこととして、「役者として横浜監督に恋をすること、父親として駒井さんに恋をすること、旅人として青森に恋をすること」を挙げている。
一方、横浜監督にとって、故郷・青森で撮影するのは『ウルトラミラクルラブストーリー』『りんごのうかの少女』(短編)などに続き4作目。「今年は新型コロナの影響で、生活にも甚大な影響があったと思うが、目下みんな元気だろうかと青森の人々の顔が頭に浮かぶ毎日。青森が舞台のこの映画を観てもらうことでほんの一瞬でも皆さんの日常が彩られればと願う。今回で、青森で映画を撮るのは4回目。毎回皆さんの沢山のご協力に支えられており、人々の優しさに改めて気付く。作品でなんとか恩返ししたい」とコロナ禍に触れながら、作品に込めた思いを語っている。
なお、8月下旬より「東北地方限定サイトHANASAKA!」でクラウドファンディングで、撮影応援サポーターを募集。撮影風景は、アークエンタテインメントのYoutube公式チャンネルなどで配信される。(編集部・石井百合子)