空母エンタープライズ甲板を巨大セットで再現 映画『ミッドウェイ』のこだわり
『インデペンデンス・デイ』シリーズなどのローランド・エメリッヒ監督が、第2次世界大戦におけるターニングポイントになったと言われる激戦を描く映画『ミッドウェイ』撮影の裏側をとらえたメイキング映像が公開された。
真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦に至るまでの日米の戦いを、両国の軍人たちを通して描く本作。劇中のセットなどプロダクションデザインを手がけたカーク・M・ペトルッチェリは、当時の状況を再現するうえで「国を守り命を落とした人々に敬意を表すため正確に作りたかった」と語る。
そのこだりのひとつが、空母エンタープライズを模した巨大なセット。当時の空母を実際に作ることはできないため、巨大なステージにほぼ原寸大で飛行甲板のセットを作成し、ブリッジや機銃のほか、操舵室や食堂など内部に至るまで再現した。
さらに、出演者のルーク・エヴァンスが「この映画のために作られた、ダグラス社製の爆撃機と電撃機がある」と語るのが、米軍の艦上機、SBDドーントレスとTBDデヴァステイターの機体。なかでも、TBDデヴァステイターは1機も現存していなかったといい、スミソニアン博物館から設計図を借りて一からレプリカを制作。ペトルッチェリは「翼は実際に折りたためる。エンジンも駆動し、排気も可能な作りだ」とその出来栄えに胸を張る。
20年に及ぶリサーチと新たに発見された日本軍側の貴重な資料をもとに製作されたという本作には、日本から連合艦隊司令長官・山本五十六役の豊川悦司をはじめ、[浅野忠信、國村隼らが出演。ウディ・ハレルソン、パトリック・ウィルソン、デニス・クエイド、アーロン・エッカートなど、日米の実力派俳優により両国の戦いが描かれる。(編集部・入倉功一)
映画『ミッドウェイ』は9月11日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開