岩井俊二監督『チィファの手紙』撮影の裏側 中国のスター&巨匠が夢中!
『Love Letter』(1995)、『スワロウテイル』(1996)、『花とアリス』(2004)など、数々の名作を生んだ岩井俊二監督が、初めて中国でメガホンをとった映画『チィファの手紙』(9月11日公開)の舞台裏に迫るメイキング映像が公開。ヒロインを務める、中国四大女優の一人とされる主演のジョウ・シュンをはじめ、現地のキャスト&スタッフも夢中になる独特の映像美、世界観が浮かび上がった。
【動画】照明に驚きのアイテム!『チィファの手紙』メイキング映像
本作は、今年1月に公開された松たか子主演の『ラストレター』と同じく、岩井監督が自身の小説「ラストレター」を原作にしたラブストーリー。亡くなった姉に恋していたチャン(チン・ハオ)に片思いしていた主人公チィファ(ジョウ・シュン)の恋を、過去と現在を交錯させながら描き出す。
メイキング映像では、ヒロイン役のジョウ・シュンが「彼の映画が大好きです。この台本をみた時に『え? 岩井俊二 やった!』すごい速さで決めました」と出演を即決したことを明かし、岩井監督が演出をつける場面も。「岩井監督は今回、2台の小さなステディカムを使っていました。ずっと私たちにくっつき、狙ってくれるのですごくナチュラルで気づかないうちにベストな瞬間を撮ってくれることが多かった」と撮影を振り返っている。
現地で日本と中国の文化、撮影のスタイルの違いが浮かび上がる場面もあり、「いろいろ開発しましたよ。簡単に金属の錆を作る方法とか」という岩井監督。チィファの夫ウェンタオにふんするドゥー・ジアンは、岩井監督の照明のこだわり、ベビー用ソックスやカップケーキ用の紙を用いた斬新なアイデアに興奮していた。
本作には岩井監督の古い友人で、『ラヴソング』『ウィンター・ソング』などの中国の巨匠ピーター・チャンがプロデューサーとして名を連ねており、2人が交流する貴重な場面も収められている。(編集部・石井百合子)