豊川悦司、ハリウッドからの山本五十六役オファーに驚き
俳優の豊川悦司が11日、都内で行われた映画『ミッドウェイ』公開記念初日イベントに出席。歴史上の重要人物を演じた豊川は、監督からのオファーに当初は困惑していたことを明かした。この日は、共演の國村隼も来場。浅野忠信が自宅からリモート出演したほか、ローランド・エメリッヒ監督、パトリック・ウィルソンからもコメント動画が届けられた。
『インデペンデンス・デイ』などのエメリッヒ監督が、日本の運命を決した歴史的海戦を20年に及ぶリサーチを経て鮮明に描いた本作。豊川は山本五十六、浅野は山口多聞、國村は南雲忠一という、実在の軍人役で出演している。
山本五十六役のキャスティングについて、豊川は「ほとんどの日本人が知っているビッグネームで、歴史上の素晴らしい人物ですが、自分の中に山本さんとの類似点がまったく見出せなかったので、なぜ僕のところに来ちゃったんだろうという感じでした」と当初の思いを告白。そのため、先輩役者が山本五十六を演じた作品を片っ端から鑑賞し、「どういう風に山本五十六に対峙していったか(勉強した)」と役づくりを語った。
一方の浅野は「立派な方を演じられるとは思っていなかったので、うれしかったです」と笑顔を見せるが、國村は「南雲さんは、ミッドウェイの海戦において一番アカンやろ! と言われている人なので、演じることが誇らしく有難いという思いは全然なかった」と告白。一方で、「なぜあの時にあんな判断ミスを下したのか? というところを糸口に妄想を広げ、(役を)イメージしました」と振り返っていた。
そんな3人は、それぞれハリウッド映画への出演経験があり、パトリックは「悦司の英語は見事」と豊川の英語力を絶賛。しかし、当の豊川は「3人の中で、僕が一番英語ができないので、監督の演出も、浅野くんに(意味を)聞いたりしていました。2人には助けてもらいました」と謙虚に語っていた。
エメリッヒ監督は、豊川が困惑したというキャスティングへのこだわりを紹介。豊川の起用は「知的な雰囲気があり、高貴さを感じさせる俳優だから、山本五十六役にぴったりだと思った」と説明し、浅野と國村についても、すでに他作品での芝居を観ていたことから「迷いなく決めていた」と明かした。
さらにエメリッヒ監督は「この映画は世界の観客に向けて漫然と撮った映画ではない。アメリカと日本の観客が対象だ。目指したのは両軍に対する敬意を表することだ」とアピール。その言葉を受けて、豊川は「彼らのチャレンジは成功したと思います」と力を込めていた。(取材:錦怜那)
映画『ミッドウェイ』は全国公開中