濱田岳&水川あさみ、子役・新津ちせから撮影外でも「パパ・ママ」
俳優の濱田岳と水川あさみが12日、新宿ピカデリーで行われた、映画『喜劇 愛妻物語』公開記念舞台あいさつに出席。一緒に登壇した子役の新津ちせとの撮影を振り返った。この日は足立紳監督も登壇した。
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本作は、『百円の恋』『嘘八百』などの脚本家として知られる足立紳が、自身の夫婦生活を赤裸々につづった小説を自ら映画化したファミリーコメディー。売れない脚本家の豪太(濱田岳)が、妻のチカ(水川あさみ)との冷め切った仲を改善しようと奮闘するさまを描く。
ステージに上がった足立監督は、冒頭で「去年の東京国際映画祭で初めて観ていただいたのですが、それから、ほぼ1年の時間があって。いろいろと思いもしないような世の中になりました。今は映画館も満席にすることができないということですが、ちょっと笑って元気になれる映画を届けられたのがうれしいです」とあいさつ。主演の濱田も、待望の初日に「お客さまを前にすることがうれしいですし、今日が迎えられるのは奇跡のようです」と晴れやかな表情を見せた。
水川も「映画祭にも招待していただいて。そこからパブリシティーをして。この貧乏映画がCMも出しているということにビックリして。今日ここで舞台あいさつに立てるのが待ち遠しくて。愛しい時間だなと思います」と笑いを交えながら振り返った。劇中、水川は濱田ふんするダメ夫に罵詈(ばり)雑言を浴びせる妻を演じており「『たんつぼ』なんて言葉、なかなか言わないから、どういう気持ちをのせていうんだろうと思いました」と述懐。それに対して濱田は「『たんつぼ』というのは世代的になじみがないので高田文夫先生に聞いたら、ゴミ箱以下の扱いのことだと言われて。日々、(水川演じる)チカちゃんに死ねと言われ続けたので、その死ねの微妙なあんばいがわかるようになりました」と苦笑していた。
一方、撮影で“両親”のケンカを目の当たりにしていた、娘役の新津は「わたしのお父さんとお母さんと違っていて。台本だとわかっていても、やめてくれないかなと思っていました。ぶっちゃけ、つらかったです」と素直なコメント。そこで足立監督が「君のお父さん(新海誠監督)みたいに大ヒット作を連発したら、ケンカにならないからね」とボヤいてみせると、会場は大爆笑となった。
そんな新津の存在は、現場でも非常に大きかったようで、濱田は「カメラの前以外でも、パパ・ママと呼んでくれて。(役を)すり込んでくれたのは彼女のおかげ。役柄を理解してくれて、気丈でいてくれたからこそ、喜劇になったんじゃないかなと思います。ちせちゃんには感謝しています」としみじみ語った。
水川が「振り返っても面白いことしかなった」と語れば、濱田も「毎日笑いが絶えなくて」と応じるなど、撮影を通じて、すっかり“家族”になった様子の登壇者たち。足立監督が「この映画が大ヒットしたら……続編とか言うとプロデューサーたちはテクテクと逃げたりするので。皆さんが観てくれたら、この夫婦をまた見ることができるのかなと思います」と観客に呼びかけると、濱田も「まだ、嫁姑編がありますからね」と意欲。「最初は豪太を演じるのはキャリアの汚点だなと思っていましたけど、豪太をやったおかげで幸せな気分になりました」と笑顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)
映画『喜劇 愛妻物語』は全国公開中