尾上松也「すくってごらん」実写化で映画初主演 ももクロ・百田夏菜子がヒロイン役
日曜劇場「半沢直樹」も記憶に新しい歌舞伎俳優の尾上松也が、大谷紀子の漫画に基づく『すくってごらん』(2021年3月全国公開)で初の映画主演を務めることが14日、明らかになった。尾上が演じるのは、片田舎の町で金魚すくいの魅力にはまっていく元エリート銀行マン。彼が一目ぼれする、金魚すくいの店を営む美女を、ももいろクローバーZのリーダー・百田夏菜子が演じる。メガホンをとるのは、映画『ボクは坊さん。』(2015)やドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL」シリーズ(2018・2019)などの真壁幸紀。
2014年に漫画雑誌「BE・LOVE」で連載された同名漫画に基づく本作。原作と同じ奈良県を舞台に、とある失敗で東京本社から左遷されたエリート銀行マン・香芝誠(尾上)が、都会から遠く離れた僻地で出会った「金魚すくい」を通じて成長していくさまを描く。脚本を務めるのは、ドラマ「ホクサイと飯さえあれば」(2017)、映画『そらのレストラン』(2018)などの土城温美。
先ごろ「半沢直樹」でのIT会社社長・瀬名役も話題を呼んだ尾上は、これまで「さぼリーマン甘太朗」(2017)「課長バカ一代」(2020)などでドラマ主演を務めているが、実写映画の出演は『源氏物語 千年の謎』(2011)以来。映画主演はこれが初となり、本作に以下のようにコメントしている。
「オファーを頂いたとき、金魚すくいのお話ということと、漫画を映画にするにあたってのアプローチの仕方が想像もつかない、なんて無茶なことをしようとしているんだと。ぜひ一緒にチャレンジしたいと思いました。出来上がったものを観たら、案の定ぶっとんだものになっていて、初主演のプレッシャーもありましたが、改めて出演してよかったと思いました。とにかく今までに見た事のない作品というのは間違いないです。非常に幻想的で、金魚と光のコラボレーションで魅せる日本ならではの映画、日本にしか出来ない映像美に満ちた作品になっています」
ヒロイン役の百田、真壁監督、原作者・大谷のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
映画『すくってごらん』は2021年3月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
ヒロイン・駒吉乃役:百田夏菜子
台本をどんなに読み込んでも想像し切れなかった部分がたくさんあって、撮影中もどうなるんだろうと思っていましたが、吹き出してしまうようなシーンもいくつかあって、すごくおもしろい純粋に楽しい作品になりました。 日本の良さや日本らしさがたくさん詰まっていて、日本人で良かったと思える瞬間もある映画です。そして、初ヒロインのほかにも私にとって初めての挑戦もたくさん詰まっています。 まだ言えないこともたくさんあるので、みなさまには色々なことを楽しみにしていただきたいです。
真壁幸紀監督
配信全盛の時代に、映画館という空間でしか成立しない映画を作りたかった。その為には「稀代のエンターテイナー」である尾上松也さんの才能が必要でした。映画を見終わった後、誰もが「映画館で観なければ意味がない。松也さんしかこの役は出来ない」と思うはずです。 『幕が上がる』を観て以来、ずっと役者としての百田夏菜子さんに興味がありました。圧倒的な”光“の中 に見える”影”がとても美しく、彼女を撮れば、まさしく”映画”になりました。 主演のお二方の名前を見て、勘の良い方は「これは……」とお気づきかと思われますが、その予想すら超える“エンターティメント”を映画館に′′体験”しに来てください。
原作者・大谷紀子
長かった……! やっと……やっとここまで辿り着きました。映画化のお話を頂いたのが約4年前。コロナの影響もあって今このタイミングでの発表となりました。主演の香芝役を尾上松也さん、ヒロインの吉乃役を百田夏菜子さんに演じて頂けるという、贅沢かつ幸せな作品です。『すくってごらん』を描くにあたってお世話になった方々、読者の皆さまのお力あっての映画化です……! 本当に感謝しかありません!! 上映される頃には三密も解かれて楽しく鑑賞出来ることを願っています。