大泉洋「映画というより『水どう』に近い」福田雄一との初タッグを振り返る
俳優の大泉洋が4日、都内で行われた映画『新解釈・三國志』の完成報告会見に来場、福田雄一監督との初タッグ作となる本作について「映画というよりは『水曜どうでしょう』に近い」と振り返った。
キャスト豪華すぎ!『新解釈・三國志』場面カット【写真15枚】
『銀魂』シリーズや『今日から俺は!!』シリーズなどの福田が監督と脚本を務めた本作は、中国の「三國志」を基にした歴史エンターテインメント。覇権争いを繰り広げる魏、呉、蜀の武将たちがしのぎを削った時代を、福田監督の新解釈で描く。
この日、大泉とムロツヨシは劇中衣装を着用し、気合十分な様子で登壇。しかし、後から小栗旬、賀来賢人、橋本環奈ら豪華キャストのパネルが続々と並べられると、大泉は「これパネルだよね!」とツッコミ。「これだけのメンツが全員来たらそりゃ豪華ですけど、結果、俺とムロツヨシしか来ていないから。これだと俺とムロくんがヒマに見えてしまう!」とボヤいた大泉は、報道陣に向かって「絶対に途中で帰しませんよ! 途中で抜けるのを見付けたら(『北の国から』の田中邦衛のモノマネで)『待て! まだ会見してるでしょうが!』って言うから」と大泉節で会場を沸かせた。
福田監督とは初タッグとなる大泉だが、実はプライベートでは以前から仲が良かったという。本作のオファーを受けた経緯について「福田さんから『実は洋さんと三國志をやりたい。劉備をやってほしい』と言われて。でも劉備とわたしが結びつかなくて。『わたしが劉備ですか』と言ったら、『何をやっても文句ばかり言う劉備ってめっちゃ面白くないですか』と言われて」と振り返った。
ムロも「僕は『新解釈・日本史』というドラマをやった時に、『実は三國志も考えていて。ムロくんにピッタリの役がある』と。それが諸葛孔明だと言われて、軍師だし、才能があるいい役だなと思ったら、『ムロくんと一緒で、できる人の人脈を借りて成功したという新解釈の役だから、役づくりはいらない』と言われて。福田さんは僕のことをどう解釈しているんだろうと思いましたよ」とこちらもボヤいていた。
初の福田組の感想は、「なぜか知らないけど、映画というよりは『水曜どうでしょう』に近いなと思った」という大泉。「身内感覚を抱いているんでしょうね」とムロが指摘するとおり、予定にない長セリフを言わせたり、予定を伝え忘れて、当日にいきなり呼び出したりといった福田組の洗礼に大泉は「ひどかったですね」とボヤくことしきりだったが、本音のところは「やっと福田さんと遊べるなとは思いましたけどね」と今回のタッグを喜んでいる様子だった。
本作の主題歌は福山雅治が担当。「実は完成した作品を観る直前に、たまたまご飯を食べる機会があった」と明かした大泉は、低音ボイスで福山のモノマネをしながら「テーマ曲をやりますよ。洋ちゃん、あの役カッコいいね。いいな、カッコいいよね」と言われたことを報告しつつも、「でもずっとカッコいいと言い続けていて。カッコいい役がお気に召していないようだったんで。わたしは(福山は映画を)観ていないんじゃないかなと思っていて。どうやら後から聞いたら、最後の方だけしか観せていないと。確かに最後ちょっとだけカッコいいところがあるんですが、あとは99%カッコ悪いですからね」とコメント。ムロが「ヤバいですよ。こんな映画だと分かったら主題歌は撤退してしまうかもしれない」と続けると、大泉も「それはあると思う。そうしたら僕らであわてて歌を歌わないと」と付け加え、会場を沸かせた。
さらに「プロデューサーが『キングダム』と一緒の人だから、なんとか『キングダム』に出してくれと言ったんだけど、役がないと。大作なんですけど、ここまで来たなという感慨はなかった」とコメントするなど、この日も大泉のボヤきはとどまることを知らない。また、今年の紅白歌合戦の司会に決定したことを踏まえて、「司会のオファーを受けた時は大変光栄な気持ちでしたが、自分がやっていいのか、1日悩みました。劉備は即決でしたけど。自分には荷が重いと思いましたけど、毎年、紅白に元気づけられているので、今度はわたしが元気を与えたい……ってこれはNHKの会見で言いたいよ!」と最後まで大泉節で会場を盛り上げた。(取材・文:壬生智裕)
映画『新解釈・三國志』は12月11日より全国公開