黒木瞳監督『十二単衣を着た悪魔』公開に安堵「スタッフ&出演者に支えてもらった」
黒木瞳監督が7日、新宿ピカデリーで行われた映画『十二単衣を着た悪魔』の公開記念舞台あいさつに出席。スタッフや出演者に支えられ、無事映画が公開を迎えたことに、安堵と喜びの表情をにじませた。この日は三吉彩花、村井良大、笹野高史も出席した。
『十二単衣を着た悪魔』は、「源氏物語」をテーマにした脚本家・内館牧子の小説をを、女優としても活躍する黒木監督が映像化した異色作。ひょんなことから「源氏物語」の世界にトリップしてしまったフリーターの雷(伊藤健太郎)が、陰陽師として活躍しながら成長していく姿を描く。
舞台あいさつ直前、配給のキノフィルムズから、道路交通法違反等の疑いで先月29日に逮捕され、30日に釈放された主演の伊藤について報告が。伊藤がこの日の舞台あいさつに登壇しないこと、並びに今回の事件で被害を受けた方へのお見舞いと、一日も早い回復を願っていることについてコメントがあった他、多くの方々から映画公開に対するメッセージをもらい、大勢のスタッフとキャストが映画に対して尽力してきたことに報いたいという配給会社の意向から、上映決定に踏み切ったことが説明された。
黒木監督は、1985年に宝塚を卒業し、翌1986年に出演した映画『化身』で出会った東陽一監督から伝えられた「映画は一人で作るものではなく、みんなの力で作る総合芸術だよ」という言葉を引き合いに出し、「今回も、スタッフのみんな、共演者のみんなに支えられて、作品を完成させることができました」と安堵と喜びが混じったような表情を浮かべる。
黒木にとっては、3作目となる監督作品。女優としても第一線級で活躍しているが「見える景色が全く違います」と述べると、「女優のときはスタッフの方々に感謝、監督のときは出演者の方々に感謝。40年間エンターテインメントの世界にいますが、多くの方に支えられてきたからこそ、いまここにいるんだなと実感しています」としみじみ。
そんな黒木監督に、弘徽殿女御を演じた三吉は「本当にすばらしい監督です。最初お会いしたときは背筋を伸ばしてごあいさつしたのですが、監督はとてもカジュアルに受け入れてくださいました。女優としての基礎から教えていただき、お母さんのようなお姉さんのような存在でした」と感謝すると、黒木監督も、三吉の弘徽殿女御に「本当にすばらしかった」と称賛を送っていた。(磯部正和)