波瑠、覚悟を決めた運命的な役 脱衣シーンでは「人間臭い感じ」も
女優の波瑠が13日、東京・千代田区の神楽座で行われた映画『ホテルローヤル』の初日舞台あいさつに出席し、ヒロイン役に運命的にめぐりあえたことに感慨をにじませた。この日は共演者の松山ケンイチ、安田顕、友近、武正晴監督も来場した。
桜木紫乃の直木賞受賞作を映画『百円の恋』などの武監督が映画化した本作。北国の湿原を望むラブホテル「ホテルローヤル」を舞台に、事情を抱えた人々の人間模様が描かれる。波瑠はホテルの経営者の一人娘である田中雅代を演じている。
この日のイベントは全国の劇場へライブビューイングされたものの、会場は無観客。波瑠は「お客さんの前でできない寂しさもあり、何を言ってもスベるような感じがあります」と不安を口にしつつ「でも、こういう機会だからこそ、カメラや電波を通していつもより多くのお客さんに同じ時間に届いていることを楽しめたらなと思います」とあいさつ。登壇者たちがアクリル板によって仕切られていることにも触れて「お店のマネキンになったような不思議な感じです」と笑顔を見せた。
映画について話が及ぶと、雅代が聡史(松山)に秘めた思いを打ち明けるクライマックスが印象的だったことが話題に。波瑠は「覚悟があった」という撮影時を振り返って「着衣を脱いだりするのですが、お風呂に入るときに服を脱ぐ感じって自分しか知らないじゃないですか。その癖をたくさんの人に観られている気がして恥ずかしいな、と一瞬思いました。ちょっとしたところに人間臭い感じが一緒に出てくれればいいなと思って、(最終的には)恥はなく、その時間に身をゆだねていました」と当時の気持ちを明かした。
また、波瑠は「(雅代のように)わたしも13歳そこらのときに、自分が持たされた人生からこの世界に逃げてきた人」と語り、原作小説を直木賞受賞直後に読んで「素敵な本だな」と感動し、主人公を演じるオファーを受ける日が来るとは「全く想像ができなかった」と素直な思いを吐露。「(女優を)やっていてよかったと強く思います」と感慨をにじませた。(取材:錦怜那)
映画『ホテルローヤル』は公開中