坂本昌行、日本初上陸の舞台「Oslo(オスロ)」で主演!共演は河合郁人ら
坂本昌行が主演を務める舞台「Oslo(オスロ)」が、2021年2月6日から東京の新国立劇場・中劇場を皮切りに上演されることが決定した。安蘭けい、福士誠治、A.B.C-Zの河合郁人らも出演する。
本作は、第71回トニー賞の演劇作品賞など数々の演劇賞を総なめにした作品。史実をもとに描かれた重厚な人間ドラマで、ニューヨーク、ロンドンで上演され、日本初演を迎える。物語は、1993年、イスラエルとパレスチナの両代表が初めて和平交渉に合意した「オスロ合意」の瞬間までになにが行われていたのかを道程に、ノルウェーの社会学者テリエ・ラーシェン(坂本)と、彼の熱意に突き動かされた人々の5か月を描く。
坂本、安蘭らのほかキャストには、横田栄司、石田圭祐、那須佐代子、石橋徹郎、佐川和正、チョウ・ヨンホ、駒井健介、吉野実紗、相島一之、益岡徹が名を連ねる。演出を手掛けるのは、第22回読売演劇大賞の最優秀演出家賞、第56回毎日芸術賞・千田是也賞を受賞した上村聡史だ。
東京公演は新国立劇場・中劇場にて2021年2月6日~23日、宮城公演は東京エレクトロンホール宮城にて2021年2月27日~28日、兵庫公演は兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールにて2021年3月3日~3月7日、福岡公演は久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて2021年3月13日~14日、愛知公演は日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて2021年3月20日~21日に上演される。(編集部・梅山富美子)
コメント全文
■演出:上村聡史
今から約30年前の中東といえば、緑の閃光うごめく湾岸戦争の空爆映像が強烈だったことを記憶しています。その強烈なイメージに隠れてしまったのか、現代史的にも奇跡的なできごとであった93年の「オスロ合意」の記憶は、おぼろげです。この歴史を題材にした本作は、人間性の豊かさや対話の奥行といった硬軟あわせ持つ色彩でつづられます。決して大国とは言えないノルウェーの中立の立場で、信念を貫く社会学者テリエ・ラーシェンを演じる坂本昌行さんの力強い眼差しとおおらかなリーダーシップ、その妻で国際社会に切り込んでいくモナ・ユールを演じる安蘭けいさんの勇姿ある佇まい、合意という困難な壁に挑む登場人物たちを、14名の頼もしいキャストの魅力を活かして、今に再生したいと思います。この座組みなら、こんな時代だからこそ、絶望に差し込む光を身近なものとして、忘却されてはならない真実として、お見せすることができるでしょう。
■坂本昌行
ちょうど僕がニューヨークに行っていたときに上演されていたのがこの「Oslo(オスロ)」で、とても話題になっていたのを覚えています。題材になっているオスロ合意に関してはニュースでしか知らなかったので、いろいろと調べていくうちに、さまざまな背景がある作品にお声がけいただいたんだなと改めて認識しました。当時の新聞記事に「忍耐と信頼」とありました。僕らも良く使う言葉だけれど、実際に経験された方から出る、重みを感じます。人が動くことで国をも動かす大きな話ですが、その人物の根底にある、軸にあるものを表現できたらと思います。河合くんとは、作品で共演するのは今回が初めてです。同じステージに立ったら、当たり前のことですが、先輩後輩は関係なく、一役者として向き合いたいので、自由にやってほしいですね。舞台上で生きる、生でストーリーが展開していくというのは、唯一無二の機会だと思います。その喜びを感じながら、この作品のストーリーをお客さんにお届けできたらと思います。
■安蘭けい
このような作品に呼んでいただき大変嬉しく思っています。この作品の世界観を表現できるよう、よりわかりやすく伝えられるよう、世界の情勢も学びながら、稽古場で話し合いを重ねて作っていきたいです。遠く離れた国に起こった実話で、なかなか馴染みのない話かもしれませんが、坂本昌行さん演じるテリエと私の演じるモナという夫婦の、ふたりで世界を変えようと一歩踏み出した“信念”の物語でもあります。国や世界という大きな話ではなくとも、自分ではなく人のために、という想いはきっと皆さん持っていらっしゃると思います。ぜひ劇場で、同じ時間を共有しながら、彼らの熱い想いを一緒に感じてください。
■福士誠治
歴史的にこういうことがあったと演劇を通して知っていただけることや、立場の違う人たちがいろいろな感情をむき出しにしながら良き答えを導き出そうと繰り広げる討論、会話劇はとても魅力的で、刺激的な舞台になると思います。難しく考えずに、劇場に足を運んでいただけると嬉しいです。キャストの皆さんとの関係性、人間性の化学反応も楽しんでいきたいです。舞台ができなかった期間を経て、演劇をライブでお客様に届けるという行為が、とても贅沢な時間だと改めて知りました。来ていただくからには、非現実の世界を味わって楽しんでいただきたいと思います。僕もあまりプレッシャーに感じず、キャスト・スタッフとともに楽しんで、挑んでいきたいです。
■河合郁人
台本を読み進めていくなかで、セリフの量はもちろん、長セリフが数多あることに驚きました。しかも二役。二役とも交渉を行っていくという責任感のある役ですが、実際の生活では経験したことが少なく、使うことの少ない言葉も出てきますが、僕の役どころ、キャラクターを考えると、明るくできるのかな、と想像しています。あまり硬くなりすぎずに、決めるところは決める、というのを出せたらいいなと思います。また、坂本さんという舞台界において一流の先輩とご一緒できるのも心強いです。これまでミュージカルや舞台で沢山経験されたお話を聞かせていただき、近くで勉強したいと思います。今年に関してですが、生で演じる舞台でお客様がいらっしゃると嬉しい、楽しいというよりも、観劇しに来てくださると“安心する”と今年の舞台では感じられました。観に来られる方にも、安心して楽しんでいただけるように努められればと思います。