一体何が!?新たなのんを写した『私をくいとめて』劇中カット
のんが『勝手にふるえてろ』の大九明子監督と組み、31歳のおひとりさまヒロインにふんする映画『私をくいとめて』(12月18日公開)から新たな劇中カット6点が公開。年下男子への恋を通して目まぐるしく変わりゆくヒロインの表情が収められている。
本作は、『勝手にふるえてろ』でロングランヒットを記録した大九監督が、再び綿矢りさの小説を映画化。脳内の相談役「A」のアドバイスを受けながら独身生活を満喫していた31歳のみつ子(のん)が、思いがけず訪れた年下男子・多田くん(林遣都)への恋に右往左往するさまを描く。公開された劇中カットでは、お酒を片手にやさぐれていたり、手料理をもらいにきた多田くんを満面の笑みで出迎えたり。一方で、涙を浮かべた切なげな表情、薄暗い廊下でしゃがみ込む様子など、みつ子の一筋縄じゃいかない内面が垣間見える場面も。
主人公・みつ子役にのんを提案した谷戸豊プロデューサーは、「のんさんの持つ年齢不詳感や、どこにも定まらない感じが素敵だなと思い、思い切ってオファーに至りました」と振り返る。本作では主人公の年齢を大事にしたいと考えていた大九監督は「キャラクターの年齢より幼く見える振る舞いや言動は、細かく現場で修正していきました」と言い、「撮影前や撮影中も疑問に感じたことはすぐ連絡をくれたり、合間に直接聞きに来てくれたり……。本当に真面目な方で、私もやりやすかった」とのんの熱のこもった取り組みを称賛。
さらに大九監督、プロデューサーは以下のように撮影現場での印象深いエピソードを話している。「最初に、“どうしてこの役をやってくれようと思ったんですか?”と聞いたら、温泉施設でみつ子が激しく気持ちが揺れるシーンを演じてみたいと思ったからと答えてくださって。吐き出したい何かがたくさんある方なんだろうなと思ったのを覚えています」(監督)、「撮影を見ていても、“のんさんってこんな顔していたっけ?”と思うくらい、初めて見る表情ばかりで僕らも正直驚きましたね」(谷戸P)。
大九監督は、東京国際映画祭で『勝手にふるえてろ』に続いて2度目の観客賞を受賞する快挙を成し遂げた。当日の会見で、のんはみつ子役について「今回の脚本を観た時に、これは絶対にわたしがやりたいと思った」と言い、「セリフが全部面白くて。綿矢(りさ)さんの原作に描かれている部分も面白いですし、大九さんが付け加えたところも面白い」と作品への強い思い入れを明かしていた。(編集部・石井百合子)