桐山漣&清水くるみ、フランス人監督の斬新な愛の表現に驚き!
俳優の桐山漣と清水くるみが5日、都内で行われた日仏合作映画『海の底からモナムール』の公開記念舞台あいさつに出席し、フランス出身のロナン・ジル監督による劇中の斬新な愛の表現について語った。
【イベント写真】桐山漣「ホラーが苦手な人も楽しめると思います」
エリック・ロメール監督作『美しき結婚』の音楽などを手掛けてきたジル監督が、全編日本語で日本人キャストを起用して制作した本作は、10年ぶりに故郷の島に戻ってきた青年タクマ(桐山)と、生前の姿のまま彼を思い続ける幽霊・ミユキ(清水)との遭遇を描く純愛ホラー。
桐山は、日本の伝統的なホラーと今回のジル監督が撮るホラーの違いについて、「ミユキが幽霊幽霊していない。怖がらせる幽霊ではないという感じ」とコメント。「日本のホラーは脅かすお芝居をして、音楽も怖がらせるために作られたものという感じだけど、そこが全く違う。(ジル監督は)怖がらせるために作っていない。びっくりさせる演出もあるけど、それも怖がらせるためという感じじゃない。だからホラーが苦手な人も楽しめると思います」と本作の不思議なテイストを絶賛した。
ヒロインのミユキを演じた清水も「わたしも幽霊を演じている感じじゃなかった」と撮影を振り返り、「自分も死んでしまって、気持ちが残っているっていうくらいの感じで演じていた。映画を観て初めて幽霊だって思った」とヒロインの描き方に驚いたという。
また、フランス人ならでの愛の表現も多数あるという二人は、ミユキがタクマの鼻からストローで血を吸うという斬新なシーンにも言及。清水は「最初に話を聞いても想像がつかなかった。フランス人の解釈ってこういうことかって。文化の違いはすごく面白いなって思いました。現場では大変だけど、完成したシーンを観ると、日本人にはない素敵なシーンになっていた」と語る。このシーンには桐山も驚いたといい、「なかなかないよね。しかもストローで」と笑顔を見せた。
映画は5年前に撮影された。それゆえに桐山は感慨深いものもある様子で「5年の時を経てやっと公開することができ、たくさんのお客さんに集まっていただき、すごく楽しみにしてもらっていたんだなという実感がわきます。役者としては今を生きているという感覚でやっているので、(5年前の作品を観るのは)複雑な思いもある。お手柔らかに観てもらいたいです」と口にする。清水も「5年前なのでお蔵入りかと思っていたんです。無事公開できて嬉しい気持ちです。わたしも桐山さんと同じ、5年前の自分が映っているので、温かい気持ちで観てほしいです」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『海の底からモナムール』は公開中