西川貴教『天外者』の“愛される弥太郎像”!三浦春馬さんとの楽しい撮影振り返る
三浦春馬さんが主演した映画『天外者(てんがらもん)』で、三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎を演じた西川貴教が取材に応じ、今作でつくりあげた“愛される弥太郎像”、そして「とにかく楽しかった」と振り返る撮影現場について語った。
本作は「天外者(すさまじい才能の持ち主)」と呼ばれた実業家・五代友厚の生涯を描いた歴史群像劇。春馬さんが主人公の五代友厚を演じ、五代、坂本龍馬(三浦翔平)、伊藤博文(森永悠希)とともに激動の時代を駆け抜ける岩崎弥太郎役を西川が担った。
これまで数々の作品で名優たちが演じてきた岩崎弥太郎。「日本の歴史を振り返る上で欠くことのできない偉人を演じさせていただくということで、身の引き締まる想いだった」とオファー時を振り返った西川には、「岩崎弥太郎に自分はどう向き合うか」というチャレンジがあり、西川なりの解釈で新たな“弥太郎像”をつくりあげた。
「これまでの弥太郎は、結果のためなら手段を選ばない非情さのほか、がめつさ、守銭奴な部分が描かれることが多かったと思います。でも一代であそこまで大きな組織をつくりあげる『経営者』と考えるとそれだけではないだろうと。周りの方に愛される人で、ついていきたくなる魅力が彼自身にあったのではないかと思うんです」
「力技だけではない人間的な魅力がある弥太郎像をつくっていきました。愛嬌なども兼ね備えていたんじゃないかなという気もして。自分の中では勝手にですが、“愛される弥太郎像”を表現してみたいという想いがありました」
主演の春馬さんが作品の核となっていた撮影現場はとにかく楽しかった。「とてもいい雰囲気でアットホームでした。いわゆるエンターテインメントな作品ではなく、すごくストイックな作品。それを粋に感じている人たちが集まっていて、誰もが作品のために役に立ちたいと思っている現場でした。そういうことを思うと、春馬も一緒に劇場公開を迎えられていたらなと思います」
春馬さんとは舞台の仕事を通じて以前から交流があり、今作でも撮影の合間には一緒に飲みに行った。
「撮影現場では五代として存在していて、撮影所以外での春馬はいつもの春馬でした。一緒に飲みに行ってバカ笑いしたのを覚えています。一時、何か理由をつくりたい人がありもしないことを言っていたこともありましたが、そんなことはなかったです。彼はいつも通り真摯に作品に向き合っていました。あれだけ撮影の時にオゴってあげたのに、全然オゴり返してくれてないじゃないかって思ってます。ツケだからなって(笑)」
取材が行われた日、取材現場に春馬さんの姿はなく、「今日は別の仕事があって来ていないんだろうなという気持ちです」と語っていた西川。「今、時代が混迷しているからこそ、ご覧いただいたみなさんがこれから生きていく上で何かを考えたりするきっかけになる作品だと思っています。この作品の中で生きているキャストのみんなのそれぞれの生き様をぜひご覧ください」とメッセージを送っていた。(編集部・海江田宗)
映画『天外者(てんがらもん)』は全国公開中