宇野祥平、小栗旬&星野源はデリケートに接してくれた 『罪の声』で助演賞
「第75回毎日映画コンクール」の表彰式が17日にめぐろパーシモンホールで行われ、映画『罪の声』で男優助演賞を受賞した宇野祥平が出席。同作で、犯人グループの脅迫テープに録音された声の主の一人・聡一郎を演じた宇野は、共演者の小栗旬と星野源について「ものすごく聡一郎ともどもデリケートに接してくれたので、すごくやりやすいと言いますか。出会いのシーンから二人とお会いして、スッと入っていける感じがしました」と振り返った。
『罪の声』は、かつて日本中を震撼(しんかん)させた未解決事件モチーフにした塩田武士の小説に基づくミステリー。トロフィーを手にした宇野は、監督、共演者、スタッフ、観客など、支えてくれた全ての人に向けて感謝の思いを述べると、「本当にいろんな方のおかげで聡一郎という人物を作っていけたと思います。今までいろんな方と出会い、助けられ、本当にお世話になって。感謝しかありません。本当にありがとうございます」と感無量の表情。宇野のスピーチに、会場からも大きな拍手が送られた。
俳優の面白さ、映画の魅力について質問された宇野は、「たくさんの方々と一緒に作るもの。(この日の受賞作品である)『37セカンズ』も『喜劇 愛妻物語』も『アンダードッグ』もご一緒させていただいたんですけど、いろんな方と出会って。自分が思っている自分ではないところに、連れていってもらっている感じですね」とコメント。これまで演じてきた役柄について、「自分とはかけ離れています。お話をいただいて、自分を発見するというか、こういう一面があるんだなと思います」と明かした。
女優主演賞を獲得したのは、『喜劇 愛妻物語』で豪放磊落な妻を演じた水川あさみ。今回の受賞を夫・窪田正孝は「喜んでくれました」と切り出した水川は、「映画は公開してしまって、お客さまの手に渡ると、さみしい気持ちになるというか。旅立っていく感覚がありますが、このように賞をいただけると、作品と長く関わることができて、こんなにうれしい気持ちになるのかと噛みしめています」としみじみ。さらに「この役は、運命的な出会いができた役。一生忘れることがない役だと思います。またいつかこの場所に立てるように、日々精進しながら、しなやかで味わいのある俳優になっていけたらと思います」と決意を新たにした。
また、『朝が来る』で女優助演賞に輝いた蒔田彩珠は「河瀬(直美)監督も監督賞を受賞されて、うれしい気持ちでいっぱいです」と心境を告白し、「公開が延期された時は、この作品が皆さんに届くのか不安に思う事もあったんですが、こうしてトロフィーという、形に残ることで評価していただけたことがうれしいです」と笑顔。目指す女優像を尋ねられると、「アン・ハサウェイさんが大好きです」と明かすひと幕もあった。(取材・文:壬生智裕)