『千と千尋の神隠し』初舞台化!橋本環奈・上白石萌音Wキャストで2022年上演へ
宮崎駿監督によるアニメーション映画『千と千尋の神隠し』(2001)が、初めて舞台化され、2022年に上演されることが決定した。主人公の千尋を、今回が初舞台となる橋本環奈とドラマや舞台に加え声優や歌手としても活躍の場を広げる上白石萌音がダブルキャストで演じる。
興行収入316.8億円を記録し、第75回アカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞した『千と千尋の神隠し』。その名作の初舞台化の企画の種が生まれたのは2017年。東宝演劇部からスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに構想を相談して以来、開幕まで5年の歳月がかけられたビッグプロジェクトだ。
翻案・演出を手掛けるのは、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアード。かねてより『千と千尋の神隠し』の大ファンだったジョンは、来日の折に鈴木プロデューサーと対話し、宮崎監督との対面も果たし、舞台化の許しを得たという。
鈴木プロデューサーは、「(翻案・演出の)ジョンはいい奴です。ぼくも宮崎も彼のことを気に入りました。カオナシの貯金箱をあげたら、喜んでいた。今回の舞台で千尋を大きく育ててほしい」と期待を寄せる。
翻案・演出のジョン氏は、「『千と千尋の神隠し』初の舞台化に関わっていることに大変興奮し、光栄に思います」と喜び、「千尋役はダブルキャストになっていますが、『ナイツ・テイル』で楽しく共同作業をした、素晴らしくて魅力的な上白石萌音さんと再び仕事できるチャンスを得るのと同時に、才能豊かで活き活きと感動的な若手女優、橋本環奈さんとも同様の機会を持つことが可能になりました。すでに『千と千尋の神隠し』に千時間を費やしていますが、これから費やす幾千という時間も楽しみでなりません」と語っている。
初舞台に挑む橋本は、「これまで映画、テレビドラマやCMなどさまざまなお仕事に恵まれてきましたが舞台は今回が初めてとなります。それも歴史と伝統のある帝国劇場で初舞台を飾ることができ、女優というお仕事に携わらせていただいている身としてはこんなに幸せなことはありません。映画で初主演を務めさせていただいた時と同様、舞台で初主演ということは私の人生で当然ながら1回限りのこと。プレッシャーや不安が無いと言ったら嘘になりますがまずは私らしく、今回の初舞台楽しくのびのびと演じたいと思います」と意気込む。
一方の上白石は、「言わずと知れた名作のタイトルロールを演じる日が来るなんて思っていませんでした。時代も国境も超えて愛され続ける作品の1ピースになれるのは大変光栄なことです。既に緊張していますが、素朴で勇敢な少女を、リスペクトを込めて演じさせていただきます」と気合十分だ。
東宝の尾木晴佳プロデューサーは、「ジョン・ケアードさんが演出を引き受けてくださった瞬間、橋本環奈さん、上白石萌音さんのお二人が主演を引きうけてくださった瞬間……企画立ち上げから今日まで、まるで奇跡のような瞬間がたくさん起こりましたが、中でも最も忘れられないのが、『千と千尋の神隠し』の舞台化を許諾いただいた瞬間です」と振り返り、「現在、世界中が終わりのないトンネルに入り込んでしまったような、誰も想像をしていなかった日々が続いています。そんな今だからこそ、帝国劇場から演劇という形で、千尋のエネルギーを日本から世界へ再発信していけることは演劇に携わる者として大きな喜びです。どうぞご期待くださいませ!」とコメントを寄せている。
上演となる2022年は、東宝創立90周年の年。2月、3月の東京・帝国劇場を皮切りに、4月大阪、5月福岡、6月札幌、6月、7月名古屋での上演も決定している。(編集部・梅山富美子)