優希美青、コロナ禍の不安乗り越え 全力で挑んだ主演作公開
俳優・優希美青と井上祐貴が6日、テアトル新宿で行われた、ダブル主演映画『NO CALL NO LIFE』の公開記念舞台あいさつに出席し、全身全霊で挑んだという本作に向けた思いを語った。この日は小西桜子、山田愛奈、駒木根葵汰、井樫彩監督も来場した。
優希美青&井上祐貴『NO CALL NO LIFE』舞台挨拶フォトギャラリー
第70回カンヌ国際映画祭に出品された中編『溶ける』などで注目を浴びた新鋭・井樫監督が、壁井ユカコの同名小説を映画化した本作は、共に親の愛を知らない高校生の有海(優希)と春川(井上)の、すり切れるような恋愛模様を描き出すミステリアスなラブストーリー。
芸能事務所ホリプロの創業60周年を記念する作品でもあり、主演を務めた優希は「最初は素直にうれしかったけど、だんだんとわたしで大丈夫だろうかという不安と、皆さんの期待を裏切らないようにというプレッシャーで毎日葛藤していました」と振り返る。
一方の井上も「僕も最初は素直にうれしかったというのはありましたけど、少し冷静になって、頭に情報を入れると、ホリプロ60周年作品で、ダブル主演というプレッシャーは半端なかったです」と明かし、「公開2日目ですが、まだプレッシャーを感じてここに立っています。この作品が観てくださった方にどういう届き方をするのか興味深くて。自分自身でも、観るたびに発見がある作品なので、皆さんもこの作品を愛してほしいなと思っております」と続けた。
さらに井上は、舞台あいさつの最後に「この作品が無事公開できて、ここに立てることがどれだけ幸せなのかを感じています」とかみ締めるようにコメント。コロナ禍で撮影が延期となり、厳しいスケジュールのなかで編集作業などに追われ、映画を完成に導いた監督・スタッフの労をねぎらいつつ、「初号試写を観た時に、撮影が終わってからのスタッフさんたちのがんばりを感じたんです。だから僕もこの作品をもっと知っていただけるように頑張りたい」と決意を明かした。
また「わたしにとってチャレンジの作品でした」と語る優希は、「こんなに闇があって、陰があって。精神的に大変な役を、短い撮影時間で乗り切れるんだろうかと不安に思って。クランクイン前まで、ずっと大変でした」と思いを吐露。「ちょうど自粛期間も重なって、お芝居を全くしない時もありました。その時に余計、このままお仕事がなくなっちゃうんじゃないかという不安にかられたんです。でも、それなら『NO CALL NO LIFE』にかけてみようと。全力でやって、うまくいかなかったらいったん考えようと思いました」と告白すると、その瞳には涙が。「30代、40代、50代になってもこの作品が代表作です。大好きですと言えるくらいの気持ちで頑張ろうと挑んだ作品なので、もし今日観て、良かったと思ったら、広めていただけたら」と観客に呼びかけていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『NO CALL NO LIFE』は全国公開中