池松壮亮&オダギリジョーが韓国キャストと共演 石井裕也監督『アジアの天使』7.2公開決定
『舟を編む』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』などの石井裕也監督が池松壮亮、チェ・ヒソ、オダギリジョーら日韓のキャスト&スタッフと組んだ新作映画『アジアの天使』の初日が7月2日に決定し、ティザービジュアルが公開された。
本作は、どん底に落ちた日本と韓国の2つの家族が共に運命を歩み、奇跡を目の当たりにしていく物語。病で妻を亡くし、8歳のひとり息子と共にソウルに渡る青木に池松壮亮、韓国でその日暮らしをする兄にオダギリジョー。ソウルでタレント活動を行うも自分の歌を歌えない環境や兄や妹との関係に心を悩ませるヒロイン、チェ・ソルに、韓国で多数の映画賞を受賞しているチェ・ヒソがふんする。ティザービジュアルには、空を見上げる日韓の家族が収められている。
95%以上のキャスト、スタッフが韓国チームで、ロケ地はすべて韓国で行った本作。1月14日には釜山国際映画祭主催「アンニョン」プロジェクトとして池松、オダギリ、ヒソのオンライントークを実施。この試みは、コロナ禍で映画の制作中止や撮影延期、公開延期などが続く中、他国の映画人が互いの安否を確認し合うことを目的に企画されている。
3人はリモートで、コロナ禍で打撃を受けた映画業界について日韓の状況を報告。池松、オダギリは多くのプロジェクトでキャンセルが相次いだ昨年を振り返り、ヒソは「独立系の映画館が苦労しているのは残念。だから最近はもっとインディペンデントな映画を観ようと思っている」と話していた。その一方、池松、オダギリは韓国での充実した撮影を思い返しつつ、ご当地グルメの話題で盛り上がることも。先行き不透明な今後に思いを巡らせ「自分はあまりオンライン飲みなどを行っていなかったため、国をまたいでこうして話せたのが楽しかった」(オダギリ)「再び会えることを願ってこうしてつながりながら、国境を映画で越えられたら」(池松)とこのつながりに感謝しながら、再び日韓のチームが再集結し、日韓の観客に作品を披露する場が訪れることを願っていた。
石井監督は、2014年の釜山国際映画祭に審査員として参加したときに出会った、韓国のパク・ジョンボム監督と意気投合。それ以来韓国という国が自分にとって「外国のひとつ」ではなく「とても大切な友達が住んでいる国」に変わったという。「そのときに、映画を撮れると確信した。韓国という国の全容はもちろん外国人である僕にはわからないが、友達の心の痛みを想像することができるなら映画も撮れると、直感的に思った」とコメントしている。
本作は、第16回大阪アジアン映画祭のクロージング作品として3月14日にワールドプレミア上映される。(編集部・石井百合子)
映画『アジアの天使』は7月2日よりテアトル新宿ほか全国公開