さだまさし、初の朝ドラ出演 21年度後期「カムカムエヴリバディ」でラジオ英語講座の講師役
シンガーソングライター、小説家のさだまさしが、2021年度後期放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に出演することが22日、NHKより発表された。さだが演じるのは、戦後まもなく始まったラジオ英語講座「カムカム英語」の人気講師・平川唯一(ひらかわ・ただいち)。さだにとって、本作が初の朝ドラ出演となり「『連続テレビ小説からのお誘い』と聞き、やっと主題歌が歌えるぞ、と期待したら大違い(笑)。驚きの「出演」でした。芝居は慣れていませんが平川唯一さんの役で、ラジオの声が主だと聞き、ホッとしています。終戦直後の暗い時代を生きて「日本を明るくするため」に頑張った平川さんのことを思う時、新型コロナウィルスに苦しんだ日本の未来へ、連続テレビ小説で日本を明るくするお手伝いが出来たら幸せです。お声がけ頂き光栄です」とコメントしている。
本作は、連続テレビ小説「ちりとてちん」の藤本有紀が、ラジオ英語講座と、あんこと野球とジャズと時代劇を題材に書き下ろした100年のファミリーストーリー。朝ドラ史上初となる三人のヒロインを迎え、ラジオ英語講座を聞き続けることで夢への扉を開いていくさまを描く。1代目ヒロインに上白石萌音、2代目に深津絵里、3代目に川栄李奈がふんする。
さだ演じる平川唯一は、1902(明治35)年生まれの岡山県上房郡津川村(現在の高梁市)出身。終戦後まもなく放送されたNHKラジオ英語講座「英語会話」(1946~1951)、通称「カムカム英語」の人気講師で「カムカムおじさん」と呼ばれていた。戦後の日本を明るくしたいという願いがこめられたこの英語講座は、「証城寺の狸囃子(たぬきばやし)」のメロディーにのせたオープニングで人気を獲得。全国でファンクラブが設立され、日本中に英語ブームを巻き起こした。
制作統括の堀之内礼二郎は、さだに平川役をオファーした意図を以下のように語っている。
「平川唯一さんがラジオで英語講座を始めた時は、敗戦からまだ半年で、国中が暗い空気に包まれていました。『戦後の日本を明るくしたい』。講座にかける平川さんの思いはその一心でした。その内容はわかりやすくて誰にでもよく理解できるため、英語を学ぼうとする人はもちろん、学ぶつもりがない人でも、平川さんの明るい語りを聞くために、午後6時になるとみんなラジオをつけていたそうです。聞いている人を元気づけようと優しくあたたかく語りかける平川さん。そんな様子を思い浮かべた時、さだまさしさんの姿が平川さんに重なりました。緊急事態宣言が出た2020年の春に、いち早く医療関係者への感謝とコロナ禍で落ち込む人々へのエールを歌ったさださん。真摯(しんし)な思いがこめられた語りと歌声に、私自身がとてつもない勇気を頂きました。思いをお伝えしたところ、「英語は苦手なんだけどな~」と笑いながらおっしゃりつつ、ご快諾を頂けました。英語のレッスンももう始めて頂いています。さださんが演じる平川唯一さんのすてきな英語講座、想像するだけで胸がワクワクします。秋から始まるこの楽しい物語の世界にぜひ、カムカムエヴリバディ♪」
キャストには、これまでに3人のヒロインのほか松村北斗、村上虹郎、小野花梨、浅越ゴエ、岡田結実、濱田岳、大和田伸也、鷲尾真知子、西田尚美、YOU、甲本雅裕、段田安則らの出演が発表されている。(編集部・石井百合子)