松山ケンイチ、東出昌大&柄本時生は「やっちゃう人」ボクシングシーン振り返る
俳優の松山ケンイチが10日、都内で行われた映画『BLUE/ブルー』公開記念舞台あいさつに出席。本作の脚本に惚れ込み、約2年もの間じっくりと役づくりに挑んだボクサー役について振り返った。
本作は、成功が約束されなくとも努力し続ける挑戦者たちを描いた青春群像劇。理想と現実のはざまでもがきながらも前に進む3人のボクサーと、彼らを見守る女性の葛藤を映し出す。この日は共演の木村文乃、東出昌大、柄本時生、本作のメガホンを取った吉田恵輔監督も登壇した。また、客席には本作に出演する守谷周徒も駆けつけ、舞台あいさつを見守った。
松山は、情熱はあっても才能が無い、試合には勝てない主人公の瓜田を熱演。出演にあたっては、吉田監督本人が30年以上続けてきたボクシングを題材に書いたという脚本にとにかく惚れ込んだそうで、その影響から、約2年近く本作のためにボクシングの練習を行うなど、役づくりに取り組んだ。
松山は「監督からシャドー(ボクシング)が一番難しいからと言われていたんです。監督はそもそもご自身がずっと長い間ボクシングをやられていた方。(自分のボクシングの技術も)監督の目に耐えられるようなレベルのものにしなきゃいけないなと思っていました。みんなも監督に追いつかないとという気持ちでやっていました」と撮影を回顧する。
特に松山によるクライマックスのシャドーボクシングのシーンは本作の見どころの一つにもなっているが、その撮影についても「ドキドキしました」と撮影時の心境を明かし、「でも(監督の見守る中の演技で)単純に怖かった」とも話す。また、試合のシーンも緊張の連続だった様子。「東出くんも時生くんも結構“やっちゃう”人。足引っ張んないようにとだけ思ってやっていました」と東出、柄本の奮闘も讃える。
松山は「試合のシーンも大変な撮影だったんですけど、みなさんとにかく気合が入っていました。東出くんは(筋トレなどをして)家の中で鏡の前で10分くらい自分の裸を見ていたとか」とジョークを交えつつ話したが、これに東出は「ないない」と笑顔で反応しつつ、「僕も役づくりでジムに行った時に、ジムの片隅でシャドーしている人がいて、てっきりボクサーの人だと思ったら松山さんだったことがあって驚いた」と印象深げに振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)