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『るろ剣』土屋太鳳、佐藤健は人生の師匠

映画『るろうに剣心』シリーズで巻町操を演じてきた土屋太鳳
映画『るろうに剣心』シリーズで巻町操を演じてきた土屋太鳳

 映画『るろうに剣心』シリーズが、2部作連続公開となる『るろうに剣心 最終章 The Final』と『るろうに剣心 最終章 The Beginning』で、ついに完結を迎える。シリーズを通して、元気いっぱいで天真爛漫の巻町操として溌剌としたアクションも披露した土屋太鳳は、「『るろうに剣心』は、私の恩人。たくさんのご縁をつないでくれました」と感謝しきり。本シリーズとの情熱的な出会いを振り返るとともに、アクションに込めた思いを語った。

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■オーディションで情熱が爆発!

 和月伸宏の漫画を実写映画化した本シリーズ。激動の幕末で“人斬り抜刀斎”として恐れられながら、新時代において、斬れない刀“逆刃刀”を手に大切な人々を守ろうとする緋村剣心の戦いを描く。『最終章』は、シリーズの始まりと終わりをつづる2部作として完成した。

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 土屋演じる操は、幕府の隠密部隊・御庭番衆の血を引く少女で、シリーズ第2作目の『るろうに剣心 京都大火編』(2014)で初登場を果たした。オーディションで役を獲得した土屋だが、「『るろうに剣心』の世界に、どうしても入りたかった」と当時を述懐。

 「高校生のときに映画館に第1作目の『るろうに剣心』を観に行って。あまりの迫力に座席から立てなくなってしまうくらい、衝撃を受けました。そして同時に『こういう世界に入りたい!』『なんで私はあの場所に立てないんだろう』という悔しさも感じました」と当時を振り返る。オーディションでは「どれだけこの作品に感動したかを伝えさせていただきました」とありったけの愛をぶつけた。「それだけでもうれしかったんですが、こうして操ちゃんと長い年月を歩むことができて、本当に幸せです」と輝くような笑顔を見せる。

■胸に刻んだ谷垣健治アクション監督からの言葉

 操を演じることは、「いつも楽しい」という土屋。「監督の無茶振りに応えていくことも、ハラハラドキドキしながら楽しんでいる自分がいます」と充実感をにじませる。

 「いつも明るい操ですが、爺やとの別れがあったり、蒼紫さまへの複雑な心情も抱えながら、御庭番衆としての任務を果たしています。操の影の部分をどうやって表現するのかは、いろいろと悩みました」と操の内面まで体現。「操を演じていると、『ああ、生きているな!』と実感できるんです。操は言葉と行動がマッチしていて、とても人間らしい女の子。私自身、いつも元気をもらえます」と声を弾ませるが、土屋自身、おてんばな操に「とても近い部分がある」のだとか。「小さな頃は、泥んこになって外で遊び回ったりしていました」と楽しそうに笑う。

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 『The Final』でも、飛び蹴りや回し蹴り、米俵をかついだりと、前作に引き続きキレキレのアクションを披露している。土屋は「アクションでも、操の成長を見せないといけない。2つの剣を使いこなす爺やの動きや、蒼紫さまの技も受け継いで、操の身につけていきたいと思っていました」と力強く語る。

 胸に刻んでいたのが、アクション監督の谷垣健治の言葉。「初めて谷垣さんにお会いしたときに、『アクションは誰でもできる。でもその役として動けるのは、それを演じる人、一人しかいない。役としてのアクションを大事にしてください』とお話しいただいて。それがずっと心に残っています。叫んで動いて、喉を潰してしまうこともあって。でも毎回『これで声が出なくなってもいい!』と気合を出して、操を演じていました」と全力を注いだ。

■『るろうに剣心』は「私の恩人」

るろうに剣心

 土屋は「アクションが大好き。その役の愛情、怒り、悲しみもすべて体の動きで表現できるのが、アクションの醍醐味だと思います」とすっかり虜となっている様子。

 アクションに挑む上では「目、手、足をこういう順序で動かすなど、鏡の前でシミュレーションしたり、いつも家で自主練しています」と影の努力が必須。「アクションではリズムも大事なので、ダンスをやってきた経験も生きていると思いますし、幼い頃からやっていた日本舞踊の腰の入れ方も役に立っています。やってきたことが今の力につながっていると思うと、すごくうれしいです」と目尻を下げつつ、「(佐藤)健先輩のアクションは本当にすごいです! 初めて撮影現場で健先輩が剣心を演じる場面を見たのは、倒れている剣心が這い上がるシーン。その背中を見て、鳥肌が立ちました。“剣心の冷静さ”をアクションで表現できるのが健先輩。尊敬していますし、人生の師匠だとも思っています」と剣心役の佐藤に最敬礼。

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 思えば『京都大火編』の公開時、まだ土屋は19歳。当時の彼女は、『映画 鈴木先生』(2012)の小川蘇美などクールでおとなしい役の印象も強かった。土屋は「『るろうに剣心』で私のことを知ってくださった方もいると思いますし、『こういう役をやるんだ』『アクションができるんだ』と感じてくださった方もいるはず。操役があったからこそ、それからもアクションが必要な役をいただけていると感じています。『るろうに剣心』はたくさんの縁をつないでくれた、私にとっての恩人」と感謝の思いをあふれさせる。『るろうに剣心』シリーズが旅の終着点を迎え、「私が希望をもらったように、この作品がたくさんの人の心に届いて、夢を与えることを願っています」と心を込めていた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)

『るろうに剣心 最終章 The Final』は公開中

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