小さなことが人生を変える…フランス発ロマコメ『ラブ・セカンド・サイト』
5月7日から全国順次公開されるフランス発のロマンチックコメディー映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』。ヒロインのオリヴィア役を務めたジョセフィーヌ・ジャピがリモート取材に応じ、作品について語った。
【動画】『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』予告編
オリジナル脚本で展開される本作は、ベストセラー作家として忙しい日々を送るラファエル(フランソワ・シヴィル)が、最愛の人が自分を知らない“もう一つの世界”に迷い込む物語。小さなピアノ教室を営むオリヴィアと結婚10年目ですれ違いの毎日だったラファエルが目を覚ますと、自分はさえない中学校教師で、オリヴィアが人気ピアニストとして活躍する世界が広がっていた。そして、“もう一つの世界”のオリヴィアはラファエルのことを全く知らないのであった……。
ユーゴ・ジェラン監督の「一番大切な人に出会わなかったら、人生はどうなっていたのだろう?」という発想から始まった作品。スクリーンに映るラファエルとオリヴィアからは、2人が運命的な関係にあるという説得力がにじみ出ている。ジョセフィーヌはオーディションを経てキャスティングされた。
「オーディションでは(フランソワと)アドリブの会話をしてほしいと監督から言われました。日常のシンプルなことをアドリブで話し、それがどれだけ信憑性を持つのか、どんな化学反応があるのかを監督は見ていました」
作品の中では、ラファエルとオリヴィアがナチュラルな会話を繰り広げる。撮影現場でもアドリブを多用していたのだろうか。
「この作品は撮影前にすごく入念な準備をして、その際にセリフをアドリブで考えることはありました。でもコメディーはリズム感がとても大切です。準備期間に自分たちのセリフを足すことはありましたが、撮影現場ではアドリブなどは特にありませんでした」
ラファエルが元々いた世界と、彼が迷い込む“もう一つの世界”。それぞれの世界でジョセフィーヌが演じたキャラクターは大きく異なる。小さなピアノ教室を営むオリヴィアと、人気ピアニストのオリヴィア。その演じ分けについて聞かれたジョセフィーヌは「一つの作品の中で二つの人物を演じられるのは役者として夢のような出来事でした」と笑顔を見せた。
「同じルーツを持つ人物でありながら、人生の歩み方で現在が異なるキャラクターを表現するのは大変興味深かったです。どんな友達と出会うか、どんな恋愛をするか、小さな出来事が人生を大きく変えていくということを今作は伝えているんだと思います」
“最愛の人が自分を知らない世界”に迷い込んだラファエルは葛藤し、自分を見つめ直し、決断を迫られていく。映画をどのように締めくくるのか。撮影の直前まで監督と議論を交わしたラストシーンを、ジョセフィーヌは「とても気に入っている」そう。フランスでの公開後、ラストシーンには多くの意見が寄せられた。
「フランスの観客のラストへの反応は様々でした。観る人によっていろんな解釈が生まれていました。私は、ラストの続きを観客が想像できるように終わっている部分が特に気に入っていますし、いろんな人がいろんな想像をしていることが面白かったです」
取材の最後、ジョセフィーヌは「今作はロマンチックコメディーとしてわりと王道な作品だと思っています。でもフランスでは、単なるロマンチックコメディーと観る人ばかりではなく、感動したと話すポイントも様々でした。今までこのジャンルが苦手だと思っていた人でも、きっと何か自分の中に語りかけてくるものがあると思います」とメッセージを送っていた。
映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』は5月7日より全国順次公開