芳根京子、7年ぶり単独主演映画で悔し涙も「気合が入っています」
芳根京子が2日、東京・港区のグランドハイアット東京で行われた映画『Arc アーク』の完成報告会に出席し、単独主演映画としては7年ぶりとなる本作の撮影を振り返った。
本作は、SF作家ケン・リュウの短編小説「円弧(アーク)」をもとに、不老不死が現実となった近未来で初めて永遠の命を得た女性をめぐる物語が展開する。完成報告が行われたこの日、主演を務めた芳根をはじめ、共演者の寺島しのぶ、岡田将生、清水くるみ、風吹ジュン、小林薫、石川慶監督が姿を見せた。
芳根は17歳から100歳以上にわたる人生を生き抜く、不老不死の力を手に入れた世界初の女性・リナを演じた。最初は役づくりに苦労したということで、撮影を振り返ると「一人では作れなかった役。撮影前に頭の中で(どう演じようか)考えても想像がつかなくて……」と述べ、監督に相談したことを紹介。「監督からは撮影現場で一緒に考えましょうということで、その後ずっと二人三脚でした。いろんな感情を共有しながら、相談しながら、リナという女性を一緒に作っていきました」と感慨深げ。
また、寺島の演技の力にも刺激を受けたといい、芳根は「(寺島が演じる)エマのプラスティネーション(施術)のシーンで『まずいぞ』と。自分のレベルの足りなさを感じて、間を見つけてはたくさん練習をしました」という。リナの夫となる科学者の天音を演じた岡田とは過去に共演経験もあったということで、芳根にとって癒やしの存在だったそう。「天音さんの役が岡田さんになるかも、と聞いた時に『かもじゃなく決めてください』と言ったくらい。一度ご一緒したことがある岡田さんで決まったときは嬉しかったです。心がポカポカする感じがして、(撮影中は)癒やしのマーさんでした」と笑顔を見せた。
岡田は「この小さな身体のどこからこんなパワーが出てくるんだろうって思った」と芳根の奮闘を褒め、「一緒に映画で生きられたことは僕にとっても幸せな時間でした。しかも、この映画のクランクインがキスシーン。久々にお会いしていきなりキスシーンでどうしようかなって」と笑う。寺島も「とにかくすごくガッツがあった」と芳根を絶賛。「ダンスシーンでうまくいかない時に悔し涙を流すほどに熱心で、てっぺん(夜12時)を過ぎてもやっていたので、監督に『もう帰してあげて』と私が言わなきゃいけなかったくらい」と紹介し、芳根に「頑張ったね」とねぎらいの声をかけた。
最後に、芳根は「完成したものを観て、新たなジャンルの映画が誕生したんじゃないかなと思うくらいで、参加できたことがうれしいです。映画の単独主演は7年ぶり。気合が入っています。劇場に来てくださいと大きな声で言えないのが心苦しいですが、少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです」と語った。(取材・文:名鹿祥史)
映画『Arc アーク』は6月25日より全国公開