結木滉星、オトナの土ドラ出演に「期待に応えられたら」
センセーショナルな題材や設定の作品を世に送り続けている東海テレビ・フジテレビ系「オトナの土ドラ」枠。6月から放送の「#コールドゲーム」で“偽装家族”の長男・木村大輝を演じているのが俳優の結木滉星だ。「期待してくださる方がたくさんいる注目の枠なので、しっかり臨みたい」と意気込む結木が、本作でチャレンジしたことや、俳優を続けるなかで変化した気持ちなどについて語った。
「#コールドゲーム」の舞台は、隕石衝突の影響で地軸がねじ曲がり、極寒の氷河期に突入した地球。マイナス45度という極限の世界のなか、避難所第七支部では“家族”が優先されるため、天才詐欺師・木村祥子(羽田美智子)は、寄せ集めの“偽装家族”を作り、生き抜くことを決意する。
奇抜な設定の作品に結木は、「オトナの土ドラと言えば、しっかり特徴を持った枠で、『次はどんな作品なんだろう』と期待をしてくださる方がたくさんいる」と注目度が高い枠であることを自覚しているというと「監督の千葉(行利)さんとご一緒するのは今回で3回目なのですが、この作品で初めてひと作品を通じてという形でお仕事させていただくので、しっかり期待に応えられたら」と力を込める。
結木演じる偽装家族の長男・大輝は、イケメンで身体能力も抜群。支部のなかでも女性人気がピカイチという存在である一方、氷河期が訪れる前に、大輝の恋人とその父親を死に追いやった人物への復讐を誓うという裏の顔を持ち合わせているという役柄だ。
結木は「表の顔と裏の顔という二面性を持つ役柄を演じるというのは、初めての経験で、すごくやりがいもあるし楽しいです」と笑顔を見せつつも「同じ人間なのですが、見せる顔がまったく違う。逆に言えば、そこの部分の落差をしっかり演じ分けなければいけないと思っています」と気を引き締める。
さわやかでモテモテのイケメンと、復讐に燃えるダークなヒール。「本質は負の感情を持つ男。怒りが生きる目的になっていて、表の顔はそれをカモフラージュするためのものという意識で演じています」と役づくりのポイントを述べる。
“偽装家族”として一つ屋根の下で生活するメンバーたちは、母親役の羽田をはじめ、父親役のやす(ずん)、妹役の久間田琳加と個性派ぞろいだ。特にやすとの芝居は、結木にとっても大きな刺激を受けているという。「やすさんは面白いことをしているわけではないのに、芸人さんならではの間なのか、クスッと笑ってしまうようなところがあるんです。本当に独特の世界観というか、やすさんにしか出せない佇まいというか……。一緒に芝居をしていてとても楽しいですし、いろいろ盗みたいと思っています」
一方、羽田の受けの芝居にも見習うべきところが多かった。「大輝の本質を知っている唯一の人物が祥子さんなので、感情をぶつけるシーンが多々あるのですが、本当にナチュラルに受けてくださるので、やっていてとても楽しいんです」と明かすと、カメラが回る前と後での力の抜き方など、現場の居住まいも「とても参考になりました」と感想を述べていた。
脚本は、大河ドラマ「天地人」や「花燃ゆ」などを執筆し、同枠の「隕石家族」も手掛けた小松江里子。「オリジナルで、先の展開が気になる面白さはあるのですが、一番脚本を読んだときに感じたのは『どんなことがあっても生き抜く』というテーマでした」と結木は語ると「いま本当に世の中が大変なことになっていて、いろいろな思いを抱えている人がたくさんいると思います。そのなかでこのドラマを観て改めて“生きたい”と思っていただければ」と作品に込めた思いを吐露する。
結木自身も「こういうシチュエーションになったら生き残れるかと言われたらわかりませんが、ギリギリまで『生きよう』ともがきます」と真っすぐ前を見据える。続けて「昔からものすごく負けず嫌いで、絶対1位になりたいとか、負けたくないという気持ちが強かったんです」と自身の特性に触れると「単純にこの仕事を始めたころより、いまは楽しめるようになってきました。その部分では一つ成長したかなと感じているので、その気持ちを大切に、しぶとく生き残りたいです」と誓っていた。(取材・文・撮影:磯部正和)
オトナの土ドラ「#コールドゲーム」は東海テレビ・フジテレビ系にて6月5日スタート、23時40分~放送 ※初回は24時10分~放送