東出昌大主演映画『草の響き』、奈緒ら追加キャストが発表
函館の作家・佐藤泰志の没後30年企画作品として、東出昌大主演で映画化された『草の響き』(2021年秋公開)の追加キャストが発表された。
本作は、心に失調をきたし、妻と2人で故郷の函館へ戻ってきた主人公・工藤和雄(東出)が、医師に勧められるまま治療のため街を走り始め、やがて平穏を見出していく物語。数々の映画賞を受賞し話題を呼んだ『きみの鳥はうたえる』の原作者・佐藤泰志の小説を、『空の瞳とカタツムリ』の斎藤久志監督が手掛けた。
今回発表された追加キャストは、心を病んだ工藤を理解しようと努める妻・純子役の奈緒、工藤に寄り添う友人・佐久間研二役の大東駿介、そして、工藤が街を走る中で出会い、心を通わせていく若者たちを演じる、Kaya、林裕太、三根有葵の5人。
原作にはなかった夫婦の崩壊と再スタートというテーマを描く、妻役の奈緒は「この主人公を理解することを諦めたくないと思いました。そんな自分が彼を1番そばで理解しようとする純子と重なり、私は函館に向かいました。『私は私でいれば良い』と気づかせてくれた函館での苦しくもこのうえなく大切な時間に、心から感謝しています」と語り、また、大東も「まさか大切な友が突然逝ってしまうとは思わなかった。自分自身なかなか処理しきれない感情にあったまさにそんなとき、この作品と出会え、全編函館で映画を撮れた時間はとても濃密で贅沢で救いでした」と函館での撮影を振り返った。(高橋理久)
追加キャスト5人のコメント全文
◆奈緒/工藤純子役
何故そんなに脆いのか、走り続けることに意味があるのか。この主人公を理解することを諦めたくないと思いました。
そんな自分が彼を1番そばで理解しようとする純子と重なり、私は函館に向かいました。
「私は私でいれば良い」と気づかせてくれた函館での苦しくもこのうえなく大切な時間に、心から感謝しています。『草の響き』が皆様にも届きますように。
◆大東駿介/佐久間研二役
まさか映画館に当たり前に行けなくなる日が来るなんて思わなかった。
まさか大切な友が突然逝ってしまうとは思わなかった。
自分自身なかなか処理しきれない感情にあったまさにそんなとき、この作品と出会え、函館の映画館シネマアイリス菅原氏のもと、函館出身の小説家、佐藤泰志氏の作品を、全編函館で映画を撮れた時間はとても濃密で贅沢で救いでした。
心を病んだ友を支える役を通して、心の奥底と深く向き合う時間は、函館の空気も相まって、冷たく辛くあたたかく優しい時間でした。
◆Kaya/小泉彰役
本格的な映画出演ははじめてで、『草の響き』という素晴らしい作品に出演させて頂く事ができ、とても充実した時間を送る事が出来ました。
この作品を通して演技の楽しさや今後お芝居を頑張りたいという気持ちが強く固まりました。
その中で、小泉彰という自分とは全く正反対の役を演じることにとても苦戦しましたが、東出さんや大東さんなど皆さんに助けられながら自分なりに小泉彰という役を演じ切れたと思います。
色々な思いが詰まった作品となっているので皆さんに見て頂ける事が待ち遠しいです。
◆林裕太/高田弘斗役
函館での撮影は強く、鮮明に自分の記憶に残っています。函館の長閑な風景をよく思い出し、恋しくなります。
現場で斎藤監督やスタッフの方々、共演者の方々に何度も助けられました。寒さが厳しい中での撮影でしたが、人の優しさに触れられたような温かい時間でした。『草の響き』は人の気持ちや温かさがゆったりと伝わってくる映画です。
人と生きていく上で大切なことを教えてくれたこの作品が多くの人に届いてほしいです。
◆三根有葵/高田恵美役
全てがはじめての経験でわからないことだらけだった私は函館という街、斎藤監督をはじめとするスタッフの方々、そして共演者の方々に支えられ、何度も助けていただきました。
この作品は私に新しい景色をみせてくれました。
どんなことも包み込んでくれるようなあたたかくて優しい街で作った作品、沢山の方に届いてほしいです。