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『マイティ・ソー』公開から10年!当時無名だったクリヘム&トムヒの起用秘話

今日で日本公開からちょうど10年! - 画像は『マイティ・ソー』より
今日で日本公開からちょうど10年! - 画像は『マイティ・ソー』より - Paramount Pictures / Photofes / ゲッティ イメージズ

 2日、マーベル映画『マイティ・ソー』(2011)が日本で公開されてからちょうど10年が経った。その間シリーズは2作目、3作目が製作され、先日4作目の撮影が終了したところだ。主人公ソーや義弟ロキをはじめとするキャラクターはファンに愛され続け、先月からロキを主人公にしたドラマシリーズがDisney+で配信されている。今では世界中にファンを持つキャラクターの始まりを、改めて振り返ってみよう。(Yuki Saruwatari/猿渡由紀)

【画像まとめ】最高の二人!クリス・ヘムズワース&トム・ヒドルストンの10年間

 マーベル・スタジオが『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』に続いて製作した『マイティ・ソー』。マーベルは監督選びがうまく、幅広いところから彼らが最もふさわしいと感じる人を連れてくることで知られるが、当時このスーパーヒーロー映画にシェイクスピアなどを得意とするイギリス人のケネス・ブラナーを抜てきしたのも、意外な選択と受け止められた。

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 だが、これまた意外なことにブラナーは原作コミックを知っていて、声がかかるとすぐに乗り気になったのである。

 「ベルファストに住んでいた7歳か8歳の頃、原作コミックを読んで、そのカラフルな世界に魅了されたのを鮮明に覚えているよ。ソーは原始的でありつつ、キラキラしてもいる。洗練されているが、古風でもある。その矛盾が面白い。僕は映画でもそれを表現してみたかった。それで、今から18か月前、エージェントから、『マイティ・ソーの映画を作ることに興味はあるか』と電話があると、僕はイエスと答えたのさ。コミックブック映画を監督すること自体には興味がない。この物語だから語りたいと思っただけ。嬉しいことに、いざミーティングを持つと、僕らが求めていることはだいたい同じだとわかった。それはつまり、エピック、冒険、人間関係の物語だ」と1作目当時、ブラナーはニューメキシコ州の撮影現場で語っている。

 声がかかった時点ですでに脚本はあったが、ブラナーは家族内の人間関係にもっと焦点を当てつつ、現代風のニュアンスを強めたいと思った。「権威を持つ父と、贅沢な環境で育てられた若い息子。彼と弟は複雑な関係にあり、さらに母、友達がいる。そこには聖書につながる要素がある。シェイクスピアに共通するものも。シェイクスピアもよくパワーを持つ人たちの問題について書いているよね」。

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2011年『マイティ・ソー』LAプレミアに出席した当時のトム・ヒドルストン、ケネス・ブラナー監督、クリス・ヘムズワース - Kevin Winter / Getty Images / Getty Images

 ブラナーによると、主人公ソーは「周囲から期待を寄せられながらも、心の中で、『自分は両親が僕にそうなってほしいと思っているような人間になるのだろうか。それとも自分には他に何かやりたいことがあるのだろうか』と葛藤している男」。つまり、内面の演技が非常に大事になる。そのために、ブラナーはオーディションで数多くの俳優に会った。そんな中でも彼は、最初の方に来たイケメンのオーストラリア人に惹き込まれ、その人にもう一度来てもらうことにする。その人物こそがクリス・ヘムズワースだ。

 同時にブラナーは、やはりソー役でオーディションを受けていたトム・ヒドルストンを弟で悪役のロキに考え始めた。その前に舞台劇とテレビドラマで組み、才能を知っていたブラナーは「自分が役者だったらむしろこっちの役に魅力を感じる」とトムにロキ役を勧めたのだという。

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 そして、ブラナーはその決断に大満足することになった。当時無名だったヘムズワースとヒドルストンは、ブラナーが求めていたシェイクスピア並みのクオリティーを映画に持ち込んでくれたのである。

 「この二人の演技は、すごく正しいところを突いている。見ていて本当に感心するよ。彼らの邪魔にならないよう、気を使うくらいさ。僕は役者でもあるから、俳優たちがディテールを持ち込んでくれて、シーンをより豊かにしてくれるのを見るのは楽しい。このふたりはとてつもなく将来有望。彼らはすばらしいキャリアを築いていくことになるよ」。

 未知の役者の中に潜む実力を見事に見抜いていた、ブラナーの確かな目に改めて感動する。

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