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塚本晋也『ヒルコ 妖怪ハンター』30周年!ヒロインも駆けつけ当時を振り返る

塚本晋也監督、織田尚(特殊造型・特殊メーク)、上野めぐみ
塚本晋也監督、織田尚(特殊造型・特殊メーク)、上野めぐみ

 塚本晋也監督と沢田研二がタッグを組んだ映画『ヒルコ 妖怪ハンター』レストア&リマスター版の初日舞台あいさつが9日にテアトル新宿で行われ、塚本監督と特殊造型・特殊メークを担当した織田尚、ヒロインの月島玲子を演じた上野めぐみが登壇。当時の撮影の裏側を明かした。

『ヒルコ/妖怪ハンター』塚本晋也監督のコメント【動画】

 国際的な評価を得た『鉄男』に続く、塚本監督の第2作にあたる本作は、諸星大二郎の漫画「妖怪ハンター」シリーズの「黒い探求者」「赤い唇」をもとにしたホラー作品。大自然に囲まれた田舎町の中学校を舞台に、変わり者の考古学者・稗田礼二郎(沢田)と中学生のおい・矢部まさお(工藤正貴)が古墳からよみがえった妖怪ヒルコと対決するさまが描かれる。

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 1991年5月11日に初公開された本作は、今年で30周年という節目の年を迎える。「30年経ったのがビックリです」と語る塚本監督は、「『鉄男』という映画で30周年記念イベントをやったので、『ヒルコ』も30周年でやりたいなと言ったことを配給の方たちが重く受けとめてくれて。これ以上ない形で上映することができました」と感激した様子。さらに「『鉄男』が29歳、『ヒルコ』は30歳のときでした。30歳にしては可愛い映画だなと思いましたが、そんな僕も還暦を過ぎました」と笑う。

 ヒロインを演じた上野は「20代後半に中国に留学をしたのを機に芸能界を引退していたのですが、このような30周年のお祝いにお声がけいただいて感謝しています。今日は『ヒルコ』を愛する人とお会いできて幸せです」としみじみ。本作にはオーディションで選ばれたそうで「数日前に台本をいただいて、私は台本を読むと飽きてしまうことがあるのですが、『ヒルコ』の台本は冒頭から吸い込まれて一気に読みました」と振り返る。

ヒルコ 妖怪ハンター 上野めぐみ
ヒロインの月島玲子を演じた上野めぐみも登壇

 続けて「私の奥の底から得体の知れないものがワッと出てくるような不思議な感覚を味わいました。でも気持ち悪いわけでなく、変に心地いいというか。不思議な世界に入り込んだままオーディションに行ったことで、このご縁をいただけたのかな」と笑顔。塚本監督のことは「すごく優しかった」と当時の印象を明かしつつ、「私はヒルコになって、すごい顔をするシーンがあったのですが、監督も役者なので、カメラの横ですごい顔をしてくれて、それを真似すればいいんだなと思いました」と撮影の裏側を語った。

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 本作は塚本監督の初メジャー作品でもある。『鉄男』は主なスタッフが3人で、カメラに映っていない役者もスタッフを兼ねるなど、手作り感あふれる撮影現場だったというが、『ヒルコ』の撮影現場には70人近いスタッフがいたという。塚本監督は「撮影は富山県の学校で1か月と、もう1か月は東京で東宝スタジオやロケ撮影を行いました。東宝のスタジオではその頃、黒澤明監督が『八月の狂詩曲(ラプソディー)』を撮影していて、ものすごく大きなトラックを乗り付けていたのですが、僕らも負けずに大きなコンボイを出動させて。『鉄男』とは全然違う世界でした」と振り返る。さらにスタッフとして東宝のベテランスタッフも集まったそうで、「ちょうど『鉄男 II BODY HAMMER』を作ろうと若いスタッフが集まっていたときだったので、いろいろと教えていただきました」と付け加えた。

 『ヒルコ』の主演は沢田研二。塚本監督にとっては「テレビで圧倒された記憶しかない」というほどのスーパースターだったが、テレビCMでひょうきんなキャラクターを演じている姿を見てキャスティングを決めたという。「諸星さんの原作はファンが多くて、主人公の稗田は岸田森さんしかありえないという声が多かったのですが、すでに亡くなっていたので、だったら文句のない人にしようという思いもありました」という塚本監督。「でもスーパースターなのに、撮影現場の佇まいは最後の最後まで静かな方でした」と沢田との撮影を振り返った。(取材・文:壬生智裕)

映画『ヒルコ 妖怪ハンター』レストア&リマスター版はテアトル新宿にて上映中

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